1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780400
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 治夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40292726)
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Keywords | アセチルコリン受容体 / 二次元結晶 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
Sf9/バキュロウィルス系で発現させた、ムスカリン性アセチルコリン受容体M_2サブタイプの二次元結晶化を試みている。本年度は、結晶化に最も適した精製条件の検討に特に重点を置いた。これまで行ってきた精製法は、以下の通りである。ジギトニンを用い受容体の可溶化を行い、リガンドナフィニティーカラムで精製を行う。その後、ハイドロキシアパタイトカラムで、濃縮、界面活性剤の置換を行っていた。置換には、デシルマルトシド、ドデシルマルトシド、ノニルグルコシド、コール酸ナトリウムを試みた。だが、置換後に界面活性剤をTLCプレートで分離したところ、どの界面活性剤に置換した場合でも、ジギトニンが完全には置換されていないことが判明した。また、置換できなかったジギトニンは、透析やバイオビーズ等を用いても完全には除去できないことも判明した。二次元結晶を作成するには界面活性剤を完全に除去することが必要であるから、この結果は、可溶化にジギトニンを用いることができないことを意味する。そこで、可溶化に他の界面活性剤を用いることを検討した。その結果、コール酸存在下で,ドデシルマルトシドにより、.効率良く可溶化できることが分かった。可溶化効率は、ジギトニンを用いた時に比べ約90%であった。また、精製方法も検討した。ジギトニンで可溶化を行っていた際には、リガンドアフィニティーカラムのみで十分精製できたが、この場合には、更にコバルトカラムを用いる必要があることが分かった。最終的にはハイドロケシアパタイトカラムを用いて、濃縮・界面活性剤の置換を行った。現在では、置換にはデシルマルトシド、及びノニルマルトシドが一番適していることが分かっている.またTLCの分析から、この両者は、透析・バイオビーズのどちらを用いても、完全に除去できることが分かった。これらの状況をふまえ、現在は、様々な結晶化条件を検討中である。
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[Publications] Haga, K. et al.: "GTP-binding-protein-coupled receptor kinase 2 (GRK2) binds and phosphorylates tubulin" Eur. J. Biochem.255. 363-368 (1998)
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[Publications] Ogawa, H. et al.: "Structure of the Ca^<2+> Pump of Sarcoplasmic Reticulum: A View along the Lipid Bilayer at 9-A Resolution" Biophys. J.75. 41-52 (1998)
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[Publications] 小川 治夫 他: "膜蛋白質の構造解析" ファルマシア. 35. 33-38 (1999)