1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780426
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
新井 直人 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (70297795)
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Keywords | 出芽酵母 / 遺伝子 / 相同的組換え / DNA / 生化学 / Rad51 / 相同的対合 / D-loop |
Research Abstract |
遺伝子の相同的組換えにおいて、相同なDNAを探し出し対合させる相同的対合に関与する主要な因子として、出芽酵母Rad51蛋白が単離されている。Rad51蛋白による試験管内での閉環状二重鎖DNAと直鎖状単鎖DNAの間での相同的対合(D-loop形成)についての解析を行うことを目的とした。 これまでRad51蛋白による環状単鎖DNAと直鎖状二重鎖DNAの間での相同的対合 (strand-transfer)の解析は進められているが、生体内を反映していると考えられるD-loop形成の解析は進んでいない。Tracyらは、Rad51蛋白単独でD-loop形成を弱いながら検出したことを報告している(Genes and Dev.11,3423-3431,1997)。しかし、この報告と同様な基質および反応条件で、独自に構築したアッセー系を用いてD-loop形成を確認できなかった。さらに、幾つかの条件について検討したが、D-loop形成は検出されなかった。従って、Rad51蛋白によるD-loop形成には他の因子が必要である可能性を検討することにした。その候補として、Rad51蛋白と複合体を形成しているRad52、Rad54、Rad55、Rad57、RPA蛋白に着目し、それらの単離を進めている。すでに、PCRによりRAD52、RAD54、RAD55、RAD57遺伝子をクローニングし、塩基配列の確認を終えた。RPA蛋白の単離は終了し、Rad55、Rad57蛋白については精製を進行中である。一方、RAD52、RAD54遺伝子については、報告されているものと比較し、数カ所のアミノ酸の置換が確認された。これらが酵母の株の違いによるものであることを確認するために、遺伝子破壊株を作成し、それらの遺伝子の機能について遺伝学的に解析を進めている。
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