1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780426
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
新井 直人 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (70297795)
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Keywords | 相同的組換え / 相同的対合 / 出芽酵母 / Rad51 / RecA / ATPase / DNA / 生化学 |
Research Abstract |
遺伝子相同的組換えにおいて、互いに相同なDNAを探して対合させる相同的対合の過程で、中心的役割を担っている蛋白は、出芽酵母Rad51である。Rad51だけでは相同的対合活性が弱いため、活性促進因子の一つであるRad54を大腸菌で発現精製することを試みたが、困難を極め、現在出芽酵母を用いて着手している。一方、Rad51による相同的対合活性が弱い原因を知るために、単独で強い活性を示す大腸菌RecAとの生化学的性質の比較を試みた。RecAとRad51の間の相違点であるDNAへの結合性に着目し、DNA依存性ATPase(DNA-ATPase)活性の変化から検討した。Rad51のdsDNA-ATPase活性は、RacAと同様にssDNA-ATPaseの約1/5であった。しかし、ssDNAとdsDNAが共に存在する場合でのATPase活性は、RecAがssDNA-ATPase活性と同一であったのに対し、Rad51ではssDNA-ATPaseとdsDNA-ATPaseの中間の活性を示し、ssDNAとdsDNAの濃度比に依存し、ATPase活性も変化した。これらの結果から、RecAがssDNAに優先的に結合するのに対し、Rad51はssDNAとdsDNAの区別なく結合し、どちらに結合するかは両者の濃度比によることが示唆された。さらに、一度ssDNAまたはdsDNAに結合したRad51もDNAから遊離するとssDNAとdsDNAの区別なく両方に結合することを示唆する結果も得た。これまでに他の研究グループにより、dsDNAとRad51の結合が相同的対合を阻害することが示唆されていることから、最初にssDNAとRad51を結合させても、ssDNAから遊離したRad51がdsDNAに結合することがRad51による相同的対合活性の弱い原因で考えられる(論文投稿準備中)。
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