1998 Fiscal Year Annual Research Report
シス・ゴルジ・マトリックス蛋白質GM130のゴジル槽局在機構及びその機能解析
Project/Area Number |
10780444
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 暢宏 九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50294955)
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Keywords | ゴルジ / 小胞輸送 / ターゲッティング / 表在性膜タンパク質 |
Research Abstract |
本研究はシス・ゴルジ・マトリックスタンパク質GM130のゴルジ槽への局在機構を明らかにする事を第一の目的としている。 ゴルジ槽を含めて小胞輸送の経路のほとんどの貫通膜タンパク質は、小胞体で膜に組み込まれた後、小胞輸送によって目的地へ運ばれる事がわかっている。表在性膜タンパク質であるGM130が、一般の膜貫通タンパク質と同様に小胞体を介してゴルジ槽に局在するのか、直接ゴルジ槽に局在するのかを培養細胞を用いて解析した。Normal Rat Kidney細胞を5分間^<35>S標識されたメチオニンでパルスラベルした後、ただちに細胞分画し、ラベルされたGM130の分布を免疫沈降で調べたところ、ゴルジ槽の画分に分布していた。また、この分布は30分のチェイスでも変化がなかった。すなわち、細胞質で新たに合成されたGM130はすみやかにゴルジ槽の膜表面に組み込まれ、その後安定してゴルジ槽の膜上に存在する事が示唆された(未発表データ)。 次にGM130がどのようにして、ゴルジ膜へ組み込まれるのかを探るためにGM130結合タンパク質の解析を行った。ラット肝臓よりゴルジ膜を精製し、さらにこれを材料として、界面活性剤による抽出、イオン交換クロマトグラフィーを用いてGM130を含むゴルジ・マトリックッス画分を精製した。このゴルジ・マトリックッス画分をゲルろ過クロマトグラフィーで詳しく解析したところ、GM130とともに分子量100万あたりに溶出するタンパク質を数種類検出した(未発表データ)。なかでも、分子量6万のタンパク質はGM130結合タンパク質として再有力候補であり、現在そのアミノ酸配列の決定を行っている。その他のタンパク質に関しても現在同定を進めており、今後はこれらのタンパク質とGM130の複合体形成等を解析する予定である。
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