1998 Fiscal Year Annual Research Report
ジーントラップライブラリーを用いた維管束細胞分化に関与する遺伝子変異体の分離
Project/Area Number |
10780458
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉岡 泰 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60202397)
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Keywords | ジーントラップ / シロイヌナズナ / 維管束組織 |
Research Abstract |
減圧浸潤法によってアグロバクテリウムをシロイヌナズナに感染させ,植物染色体DNA上にジーントラップのためのレポーター遺伝子(GUS)を持つT-DNAが組み込まれた形質転換体を約8000系統を得た。それら形質転換体20系統のゲノムDNAについてサザンブロット解析を行ったところ、T-DNAを含むDNA断片の分布パターンが同じものはなく、これらが遺伝的に独立していることがわかった。約800系統の形質転換体について,本葉および花茎、花芽においてGUS染色を行ったところ,維管束組織で特異的にGUS遺伝子が発現していると考えられる3系統を含む合計8系統においてGUS遺伝子の発現が検出された。これらの植物体においては何らかの遺伝子がトラップされていると考えられる。維管束組織でGUS遺伝子の発現が検出された植物体3個体のうちの1つである#48系統ついては自家受粉して得られた次世代において再度GUS遺伝子の発現パターンを解析した。その結果、発生の初期に形成される幼若葉においては葉の葉脈でGUSの特異的な発現が見られたが、幼若葉に続いて形成される成熟葉においては葉全体でGUS遺伝子の発現が観察された。従って、#48系統においてトラップされた遺伝子は維管束組織で特異的に発現しているのではないと考えられる。また、サザンブロット解析の結果#48系統においてはのGUS遺伝子の発現と連鎖する約13kbのT-DNAを含むDNA断片が存在していた。
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