1998 Fiscal Year Annual Research Report
体の左右非対称性決定に関わる遺伝子leftyの発現制御機構
Project/Area Number |
10780461
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西條 幸男 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (20260333)
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Keywords | 左右非対称性 / トランスジェニックマウス / 初期発生 |
Research Abstract |
lefty-1、lefty-2本来の発現を再現するゲノムの探索を行ったところ、それぞれの遺伝子の5′上流域約9kbと5.5kbの領域をlac-Zに結合したとき、その活性が認められた。また、これらの領域で左右軸形成において上位に位置するivおよびinvのシグナルを受けることができるか否かを調べるため、それぞれのコンストラクトについてトランスジェニックのラインを作製し、iv、inv突然変異マウスと交配を行った。その結果、lefty-1、lefty-2ともに突然変異によって影響を受けた染色パターンが観察された。これらの実験によって、lefty-1、lefty-2それぞれ、上流域約9kbと5.5kbに本来の発現を保証するシスの領域を含んでいることが証明された。 そこで、それぞれについて詳細な欠失させたコンストラクトを作製し、発現制御について詳しく調べてみた。その結果、lefty-1は左右両側で活性のある側板中胚葉及び神経板特異的なエンハンサーと、プロモーターを含む近傍に位置し右側での活性を抑えるサイレンサーにより左側特異的な発現がもたらされていることが分かった。 一方lefty-2では、左側の側板中胚葉および神経底板での発現は左側のみで活性を持つ5'側 350bのエンハンサー領域によって制御されていることが分かった。 今後はそれぞれのエンハンサーおよびサイレンサー領域に対して詳細な解析を行い、どの様な転写因子によって制御されているのか、その結合配列を決定してゆき、lefty遺伝子の左右非対称な発現制御について、遺伝学的カスケードを含め解明していきたいと考えている。
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