1998 Fiscal Year Annual Research Report
シグナルトラップ法を用いたイモリ精巣からの増殖・分化因子のクローニング
Project/Area Number |
10780463
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山本 卓 熊本大学, 理学部, 助手 (90244102)
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Keywords | イモリ / 精子形成 / シグナルトラップ / 刺激分裂 / 増殖分化因子 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
イモリ精原細胞期の精巣断片と単離したセルトリ細胞からcDNAライブラリーを作製し、インベルターゼ欠損酵母株(SEY6210)に形質転換した。スクロース培地での選別により、精原細胞期精巣断片ライブラリーから242個、セルトリ細胞ライブラリーから162個のポジティブクローンが得られた。これらのcDNAクローンの塩基配列を決定したところ、シグナル配列を持つものは、精原細胞期精巣断片ライブラリークローンで195個、セルトリ細胞ライブラリークローンで90個であった。さらに、これらのクローンについて精原細胞期と精母細胞期、セルトリ細胞と生殖細胞での発現量の違いをディファレンシャルサザンハイブリダイゼーションにより調べ、精原細胞期にセルトリ細胞あるいは生殖細胞のどちらかで強く発現すると思われるクローンを選別した。精原細胞期精巣断片ライブラリークローンから24個、セルトリ細胞ライブラリークローンから22個を選び、これらのクローンについて精原細胞期、精母細胞期、丸い精細胞期の各ステージにおける発現量を調べるため、ノーザンブロット解析を行った。その結果、精原細胞期に発現し、ステージが進むにつれ発現量の減少するクローンが精原細胞期精巣断片ライブラリークローンから2個(クローン7、クローン103)、セルトリ細胞ライブラリークローンから5個(クローンs4、クローンs30、クローンs76、クローンs79、クローンs131)得られた。さらにinsituハイブリダイゼーションにより精巣での発現を調べたところ、クローン103は精母細胞期のセルトリ細胞に特異的に発現することが明るかになった。
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[Publications] T Yamamoto,Hikino Y Nakayama and S-1 Abe: "Newt Rad51:Cloning of cDNA and analysis of gene expressin during the spermatogenesis" Develop.Growth & Differ. in press
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[Publications] Y Nakayama,T Yamamoto,Y Matsuda,and S‐1.Abe: "Cloning of cDNA for newt WT1 and the differential expressin during spermatogenesis of the Japanese newt Cynops pyrrhogaster" Develop.Growth & Differ. 46巻・6号. 599-608 (1998)
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[Publications] T Yamamoto,Y NakayamaY Matsuda,and S‐1.Abe: "Cloning and expressin of cDNA encoding a prolactin receptor of the Japanese red-bellied newt,Cynops pyrrhogaster" Zool.Sci. 15巻・5号. 741-747 (1998)
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[Publications] 安部眞一、山本 卓: "「両生類における精子分化機構」 生殖細胞の発生と性分化" 共立出版, 446-453 (1998)
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[Publications] 安部眞一、山本 卓: "「精子形成」両生類の発生生物学(片桐千明編)" 北海道大学出版会, 23-45 (1998)