1998 Fiscal Year Annual Research Report
カエル初期胚を用いた機能発現法による新しい神経発生関連遺伝子の探索
Project/Area Number |
10780467
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
木下 典行 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主任研究員 (30300940)
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Keywords | 発生 / 神経 / 中胚葉 |
Research Abstract |
本研究は、脊椎動物の発生過程における神経組織形成の分子メカニズムの解明が目的である。初期発生における神経組織の誘導は中胚葉により制御されている。また、中胚葉組織も細胞間のシグナル伝達によって誘導されることが明らかとなってきた。そこで、本研究では、神経組織と中胚葉組織の形成に関わる遺伝子を同定するため、以下のような方法でスクリーニングを行っている。 アフリカツメガエルの初期胚外胚葉の一部(アニマルキャップ)を切り取り細胞培養を行うと表皮細胞を形成する。この組織に、ある種の分泌タンパク質や、細胞内情報伝達因子、転写因子などのRNAをインジェクションして発現させることにより、神経や中胚葉などの様々な組織に分化を起こさせることができる。このアニマルキャップアッセイ系を利用し、神経組織、中胚葉組織の誘導活性を持つ遺伝子をcDNAライブラリーの中から検索する。 これまでに中胚葉マーカーの発現を誘導する遺伝子として、プロフィリンと相同性の高い新規遺伝子Xproを同定した。プロフィリンはアクチン結合タンパク質であり、また、細胞内のシグナル分子とも結合することが知られている。Xproがどのようなメカニズムで遺伝子発現を制御するかは大変興味深い課題であろう。また、Xproは初期胚において中胚葉および神経系に強く発現しており、発生における役割も解析している。さらに新しい遺伝子の同定を目指し、スクリーニングを継続中である。
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