1998 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性神経疾患の発症機序:病原体とガングリオシドとの分子相同性
Project/Area Number |
10780482
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
結城 伸泰 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60285913)
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Keywords | ギラン・バレー症候群 / ガングリオシド / N-グリコリルノイラミン酸 / GM1 |
Research Abstract |
ギラン・バレー症候群患者血清が反応する新しいウシ脳微量ガングリオシド分子の構造決定 ウシの脳から抽出したガングリオシドが,西ヨーロッパや南アメリカでは各種神経疾患に対して広く使用されていた.その後,ウシ脳ガングリオシド注射後に発症したギラン・バレー症候群患者が,少なくとも数10例にのぼることが明らかにされた.ギラン・バレー症候群の発症機序を明らかにするために,患者血清が認識するウシ脳ガングリオシド分子をひとつひとつ同定していく作業を開始した. ウシ脳ガングリオシドをQ-Sepharoseカラムクロマトグラフイーで分画した.ギラン・バレー症候群患者血清を用いて薄層クロマトグラフム免疫染色を行い,反応したバンドのひとつがN-グリコリルノイラミン酸を有するGM1[GM1(NeuGc)]であることを突き止めた.抗GM1(NeuGc)抗体は,GM1(NeuAc)と交叉反応を示し,GM1(NeuGc)が免疫原となった可能性が考えられた.GM1(NeuGc)を含むウシ脳ガングリオシド注射後に,GM1(NeuAc)にも交差反応する抗GM1(NeuGc)抗体が産生され,ギラン・バレー症候群発症に至ることが推測された. GM1(NeuGc)は,ギラン・バレー症候群患者血清が認識する新しいウシ脳ガングリオシド分子である.他にも未同定とされるバンドが数多く存在しており,患者血清が反応する微量ガングリオシドの同定中である.また,構造決定された分子が,ヒト末梢神経にも存在するかを確認していく予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yuki N.: "Anti-ganglioside antibody and neuropathy: Review of our research." J Periph Nerv Syst. 3. 3-18 (1998)
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[Publications] Yuki N,Miyatake T.: "Guillain-Barre syndrome and Fisher's syndrome following Campylobacter jejuni infection." Ann NY Acad Sci. 845. 330-340 (1998)
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[Publications] Yuki N,Yamamoto T,Hirata K.: "Correlation between cytomegalovirus infection and IgM anti-MAG/SGPG antibody-associated neuropahty." Ann Neurol. 44. 408-410 (1998)
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[Publications] Yuki N,Tagawa Y,Hirata K.: "Minimal number of plasma exchanges needed to reduce immunoglobulins in Guillain-Barre syndrome." Neurology. 51. 875-877 (1998)
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[Publications] Yuki N,Hirata K.: "Fisher's syndrome and group A streptococcal infection" J Neurol Sci. 64. 160-166 (1998)