1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギ後根神経節におけるα1、2フコース転移酵素遺伝子の発現とその調節機構
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10780486
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
等 誠司 理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70300895)
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Keywords | H抗原 / α1,2フコース転移酵素遺伝子 / 後根神経節 / 感覚神経細胞 / ゲノム構造 / プロモーター領域 / 転写因子 / Sp1 |
Research Abstract |
後根神経節に特異的に発現しているH抗原(Fucα1,2Gal)の発現調節機構および神経機能における意義を解析するため、H抗原生合成を司るα1,2フコース転移酵素遺伝子の発現を調べた。ウサギ中枢神経系の領域ごとにRNAを抽出し、3種類存在するウサギα1,2フコース転移酵素遺伝子の発現を検討したところ、胎生後期には3種類全ての発現が認められ、生後はH型α1,2フコース転移酵素遺伝子(RFT-I)が後根神経節特異的に発現していることが明らかになった。in situ hybridization法によってRFT-Iが後根神経節小径神経細胞に豊富に発現していることが示され、UEA-1レクチンの認識する糖タンパク質上のH抗原およびfucosyl GM1の分布と対応することが確認された。そこでRFT-I遺伝子の転写調節機構を詳しく調べるため、RFT-I遺伝子のゲノム構造および転写開始点を解析した。3種類存在するRFT-I遺伝子の転写産物のうち、後根神経節特異的な転写産物の転写開始点が翻訳開始点より82bp上流にあることを決定した。更にこの転写開始点の上流部分を取りだし、ルシフェラーゼ遺伝子につないでプロモーター活性の検討をおこなった。ウサギ後根神経節神経細胞の初代培養系などを用いた解析により、翻訳開始点より上流約700bPに強いプロモーター活性が認められた。この領域内には幾つかのSp1結合部分やNGFなどの神経成長因子によって誘導される転写調節因子の結合部分(GSG-element)が認められ、機能していることが確認されたが、後根神経節神経細胞特異的なプロモーター活性にはそれらのみでは不充分であることもわかった。今後この700bpのプロモーター領域に結合する未知の転写因子を同定する予定である。
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[Publications] Hitoshi S,Kusunoki S,Kanazawa I,and Tsuji S: "Dorsal root ganglia-specific expression of the β-galactoside α1,2-fucosyltransferase genes in rabbits." Journal of Neurochemistry. 70. 2174-2178 (1998)
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[Publications] Hitoshi S,Kusunoki S,Kanazawa I,and Tsuji S: "Dorsal root ganglia neuron-specific promoter activity of the rabbit β-galactoside α1,2-fucosyltransferase gene." Journal of Biologycal Chemistry. 274(1). 389-396 (1999)