1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動に依存した光散乱変化を用いる無侵襲脳活動計測の新たな試み
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10780490
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 保友 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80237883)
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Keywords | 内因性光学シグナル / ヘモグロビン / 光散乱 / チトクロームオキシダーゼ |
Research Abstract |
神経組織の活動に依存した光学特性の変化はよく知られており、イカの軸索、大脳皮質や海馬スライス、丸ごとのヒトや動物など、さまざまなサンプルで観察されている。in vivoでは三つの内因性光学シグナルに分類され、そのうち二つは血液ヘモグロビンに関連した血液量と酸素飽和度の変化に帰属される。第三の成分は未だに不明な点が多く、光散乱の変化に起因すると考えられている。研究代表者は第三の成分を検討するために、白色の人工血液(ヘモグロビンの光吸収を除去)による潅流脳及び人工血液置換ラットモデルを確立した。また海馬スライスモデルで神経活動に依存した透過光量の変化を確認した。これら本年度の成果を元にして、以下のように次年度での発展を目指す。 ヘモグロビンに起因するシグナルは神経活動に依存した酸素消費の増加を観察するものでニューロンの機能と構造に直結するというより二次的な応答である。光散乱変化はニューロンやグリアの活動に依存した膨潤と考えられており、本研究はそれを直接測定するものである。脳組織を傷つけることなく丸ごとの脳組織の中の局在したニューロンの機能を、その構造変化から抽出する測定は報告例がない。脳スライスモデルで指摘されている神経活動に依存した光散乱変化を詳細に検討し、さらに上記実験モデルを用いて丸ごとの脳組織で細胞の膨潤に伴う光散乱の変化を観察したい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Nomura: "Changes in neural activity propagation in rat nippocampus following ischemia-like conditions as studied by optical recording" Neurosci.Res.Commun.24・2. 71-80 (1999)
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[Publications] M.Nemoto: "Observations of the activity-relatea optical intrinsic signals in rat somatosensory cortex" J Cereb.Blood Flow Metabol.19・3. 246-259 (1999)
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[Publications] Y.Nomura: "Optical characterization of heme atas and copper of cytochrome oxidase in blood-free perfused brain" J.Neurosci.Meth.82. 135-144 (1998)
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[Publications] Y.Nomura: "The reaction of copper in cytochrome oxidase with cytochrome c in a rat brain in situ" Int.J.Neurosci.94. 205-212 (1998)
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[Publications] A.Matsunaga: "Energy dependence of redox state of heme atas in cytochrome oxidase in perfused rat brain in situ" Am.J.Physiol.275・44. C1022-C1030 (1998)
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[Publications] A.Kawaji: "Flarin-containing monooxygenase mediated metabolism of benzydamine in perfused brain and liver" Biochim.Biophys.Acta. 1425. 41-46 (1998)
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[Publications] 田村 守: "麻酔 第47巻 増刊号「近赤外分光法の基礎と臨床応用」" 克誠堂出版, 13 (1998)