1998 Fiscal Year Annual Research Report
長期増強に伴い発現する遺伝子veslとその遺伝子ファミリーの機能解析
Project/Area Number |
10780500
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 明彦 九州大学, 理学部, 助手 (80294875)
|
Keywords | 長期増強 / 遺伝子発現 / vesl / mGluR / PLC / 細胞内局在 |
Research Abstract |
1. Vesl-1L,Vesl-2のC末端と結合する分子の探索 LTPにともない発現誘導されるVesl-1Sの機能を知るため、構成的に脳内で高い発現量を持つ類縁タンパク質Vesl-1L,Vesl-2と結合する分子をtwo hybrid法を用いて探索した。現在、相互作用分子の候補をVesl-1L,Vesl-2についてそれぞれ十数個ずつ得ることに成功しており、それらがin vitro,in vivoで特異的に結合するかどうかを組換え体を用いて評価している。 2. Vesl-L(新名称Vesl-1L),Verg(新名称Vesl-2)がmGluR1の細胞内局在に与える影響をあきらかにする。 mGluR1を発現する株化モデル細胞(CHO/mGluR1)に、エピトープタグを付けたvesl-IL,vesl-2のcDNAを導入し、抗mGluR1抗体と、抗エピトープタグ抗体で染色したところ、ほとんどの細胞でmGluR1とVesl-1L,Vesl-2は散在的に存在し、特定の局在を示さなかったが、Vesl-2を安定に発現するCHO/mGluR1の一株でmGluR1とVesl-2の局在が一致し、かつクラスター状の局在を示すものが見つかった。このことはmGluR1とVesl-2の発現量のバランスによってmGluR1のクラスタリングが規定されていることを示唆している。 3. VeslがmGluR1/5を介したPLC活性を修飾するか否かを検討する。 Xonopus oocyteにmGluR1をコードするmRNAとvesl-1S,vesl-1L,vesl-2のcDNAを導入し、グルタミン酸応答性のC1^-電流を測定した。Cl電流の大きさにより、PLC活性を評価することができる。どのveslファミリーのcDNAを導入した場合も顕著なmGluR1の情報伝達を修飾することは観察されなかった。
|