1999 Fiscal Year Annual Research Report
長期増強に伴い発現する遺伝子veslとその遺伝子ファミリーの機能解析
Project/Area Number |
10780500
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 明彦 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80294875)
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Keywords | 遺伝子発現 / 長期増強(LTP) / phorbol ester / 細胞内局在 / 初代培養 / 海馬 / 神経可塑性 |
Research Abstract |
1・Vesl-1L,Vesl-2のC末端と結合する分子の探索 神経可塑性関連タンパク質質Vesl-1L,Vesl-2と結合する分子をtwo hybrid法を用いて探索し、候補をVesl-1L,Vesl-2についてそれぞれ十数個ずつ得てきたが、そのうちVesl-1Lについて3候補、Vesl-2について2候補がin vitroで特異的結合を示すこと、さらに免疫沈降、細胞染色実験によりそれぞれ2候補、1候補が相互作用することを明らかにした。 2.Vesl-1Sの局在制御シグナルの発見 Vesl-1Sは長期増強にともない発現誘導され、かつ神経伝達物質受容体(mGluR1/5)と結合する。このことは、Vesl-1SmRNAが転写された後なんらかの制御をうけて特定のシナプスに局在化することを示唆している。そこで、海馬初代培養に薬理的刺激を与え、抗Vesl-1S抗体を用いた免疫細胞染色を行った。その結果、Phorbol esterであるPMAの投与にともない、細胞内に存在していたVesl-1Sがポストシナプス部位に局在を変化させることを明らかにした。この局在制御はPMAの不活性異性体である4α一PMAによっては局在変化は起きなかったことからdiacylglycerol binding proteinが局在変化を引き起こしていることを強く示唆する。またVesl-1Sの局在変化にde novoタンパク合成は必要ではなく、Vesl-1Sのsplice variantで構成的に発現しているVesl-1Lの局在は変化させなかった(投稿中)。
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