1998 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたPNP14ファミリーの機能解析
Project/Area Number |
10780517
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
平林 敬浩 昭和大学, 薬学部, 助手 (40297015)
|
Keywords | PNP14 / Synuclein / Transgenic mouse |
Research Abstract |
今年度はPNP14ファミリータンパク質の生体内での役割を明らかにする目的として、PNP14遺伝子およびシヌクレイン遺伝子トランスジェニックマウスの作製を試みた。PNP14ファミリータンパク質の脳における分布はカルモジュリンキナーゼIIとほぼ同様のパターンを示すので、本研究ではカルモジュリンキナーゼIIプロモーターの支配下でヒトPNP14あるいはシヌクレインを発現するようにした遺伝子を構築後、C57BL/6系統の受精卵に導入し、それぞれの遺伝子トランスジェニックマウスを作製した。 PNP14遺伝子については2系統のオスのトランスジェニックマウスを作製することができた。これらのマウスに野生型C57BL/6を交配させF1マウスを得、生まれたF1マウスの遺伝子型を解析したところ、遺伝子が導入されたマウスの割合がメンデル比に較べ有意に低かった。このことはPNP14遺伝子トランスジェニックマウスの一部が胚性致死になっている可能性を示唆している。また、F1マウス同士を交配させたところ、F1マウスのメスはいずれも初産において正常に出産するが育児行動をとらない傾向が見られた。しかし、この育児行動の異常は2回目以降のの出産では観察されなかった。この行動異常とPNP14遺伝子との関連については現在、検討を行っている。 シヌクレイン遺伝子については1系統のオスと4系統のメスのトランスジェニックマウスを作製することができた。これらのマウスについては現在のところ表現型の異常は観察されていない。 今後、両トランスジェニックマウスの組織レベルでの観察を行うとともに、薬物投与や、虚血などの外来因子に対する反応を野生型マウスと比較、検討する予定である。
|