1998 Fiscal Year Annual Research Report
色素性乾皮症G群モデルマウス系統の特性とXPG遺伝子機能に関する研究
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10780520
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
原田 良信 放射線医学総合研究所, 第2研究グループ, 研究員 (90192707)
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Keywords | 色素性乾皮症 / Xeroderma pigmentosum / XP / G群 / ノックアウトマウス / コケイン / DNA修復 / NER |
Research Abstract |
本年度はまずXPG/2系統における脳の組織学的解析を試みた。XPO/2系統マウスのノックアウトホモマウス(以下ホモと略す)とコントロールとしての野生型マウス(以下野生型と略す)に対して4%PFA固定を施し、脳重量を測定した後、パラフィン切片および凍結切片を作製し解析した。ホモの体重は野生型の50%程度であるのに対し、ホモの脳重量は野生型の93%にもなり、体全体に比べ脳の容積は影響が少なかった。しかしながら組織学的解析をしたところ、大脳皮質の厚さや海馬の形態は両者において明らかに異なっていた。また大脳皮質のparvalbuminを発現する非錐体細胞の数が極端に減少していることが観察された。これらの結果は、ホモの脳は野生型に比べ質的な変化を起こしていることを示唆するものと考えられ、XPG/2ノックアウト系統はDNA除去修復のみならず、脳神経系の病体モデルとしても有用であることが考えられた。来年度も引き続き、脳神経系の詳しい解析を行う予定である。 本年度はさらにXPGノックアウト系統を用いた交配実験を行った。XPG/3系統ノックアウトホモマウスは紫外線には高感受性であるが、成長や寿命などは野生型と差異のないマウスであるが、同様に成長や寿命などは野生型と差異のないXPAノックアウトマウスと交配実験を行った。すると両親系統では成長や寿命などが野生型と差異がないにもかかわらず、4つ遺伝子がすべてノックアウトアレルになった場合にのみ、その個体はXPG/2系統ホモマウスと同様、生後の成長が著しく不良で、離乳期後に死亡した。これはXPA遺伝子が、マウス個体の成長や寿命などにに対し、Xpg遺伝子と共役的に作用していることを示唆するものであり、非常に注目される。今後この点についても詳しく解析する予定である。
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Research Products
(1 results)