1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780531
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
海老澤 嘉伸 静岡大学, 工学部, 助教授 (40213574)
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Keywords | 視覚計測 / 遠近調節 / 非接触計測 / ヒューマンインターフェース / 注視点計測 / 検影法 / 検眼 |
Research Abstract |
注視点だけでなく,目の遠近調節を同時に非接触で計測できる装置の開発をめざして研究を行った.昨年度は主に遠近調節(屈折率)測定法について研究したが,その際に基本としたのはHowlandの遮蔽法であり,彼はカメラの前に光源を置きレンズの前半分を遮蔽し,これにより得らる瞳孔像に現れる明るい部分の幅と瞳孔径から目の屈折率を決定する理論を展開した.しかし,この方法を用いて実時間画像処理により屈折率を測定するには,瞳孔中に現れる明るい部分と残りの暗い部分の境界が明確でないために無理があった.そこで,カメラの開口部に設けた遮蔽面を左右交互にビデオレートで切り替え,それによって得た2枚の画像を差分し,瞳孔以外の瞼などの背景部を消去し,瞳孔部を検出する方法を考案し,得られる結果が理論と良く一致することを確かめた.本年度は実際にビデオレートで遮蔽面を交互に切り替えるために液晶板を使用したが,液晶が透明になったときと不透明なったときとの光の透過度の差があまり無いために思うような画像を得ることができなかった.そこで,遮蔽法からBraddickの提案した偏心法に切り替えることにした.偏心法を基本とするにあたっては,カメラの開口部を遮蔽するかわりにカメラの光軸に対して左右対称の位置に対となる光源を何対か設け,それらをスイッチングするようにした.偏心法は遮蔽法と基本となる理論は全く同じであるため,ビデオ画像の解析方法も昨年度に使用したものが使用できた.プログラム開発を進め,現在,1枚の画像についての自動解析は行えるようになっており,ビデオレートでの解析に向けてさらにプログラム開発を行っている.なお,注視点検出についても,今まで我々が開発した専用ハードウェアに頼っていたのを,遠近調節を行うために使用する同様のシステム(画像入力ボードとパソコンの組合せ)に変更し,遠近調節と注視点計測の同時計測ができる形態にした.
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Research Products
(1 results)