1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10832004
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山口 晴保 群馬大学, 医学部, 教授 (00158114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 志朗 群馬県立がんセンター, 病理部, 部長
佐藤 久美子 群馬大学, 医学部, 教授 (80008268)
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Keywords | アルツハイマー病 / 痴呆 / アミロイドβ / 老化 |
Research Abstract |
脳老化の過程で、細胞外腔へのβアミロイド沈着から神経細胞内リン酸化タウ蓄積を生じて痴呆発症に至る変化を捉えるため、以下の研究を行った。 βアミロイドの沈着初期像を検討するためには、アルツハイマー型痴呆よりも40代〜60代の非痴呆老人脳が優れている。そこで、これまで収集した脳に加え、中年期の剖検脳を引き続き集め、Gunma Senile Brain Bankは合計88例の非痴呆中年〜老年者の凍結脳組織を有するに至った。これらの脳組織の免疫組織化学的検索を行い、βアミロイド沈着の程度やタウ蓄積の程度を半定量化すると同時に、ギ酸でβ蛋白を抽出し、ELISA法でβ蛋白をAβx-40とAβx-42の分子種に分けて定量した。また、凍結組織よりDNAを抽出し、ApoE遺伝子型を決めた。この結果、前頭葉ではβアミロイド沈着が多量になって初めてリン酸化タウ蓄積が始まることを示した。またApoE遺伝子型の解析から、中年期のβアミロイド沈着もアルツハイマー型痴呆と同様ApoE 4遺伝子型によって加速されることを示した。 このブレインバンクの材料は、上記のように組織学的・生化学的・遺伝学的基礎データをきちんと揃えた上で他の研究機関に提供され、老化の研究に役立っている。 さらに、アルツハイマー型痴呆脳において、βアミロイド沈着初期の超微形態を免疫電顕で捉えることに成功した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yamaguchi H et al.: "Polymorphism in senile dementia of the Alzheimer type from a viewpoint of senile plaque formation" Neuropathology. 18. 98-102 (1988)
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[Publications] Yamaguchi H et al.: "Diffuse plaques associated with astroglial amyloid β protein,possibly showing a disappearing stage of senile plaques" Acta Neuropathol. 95. 217-222 (1988)
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[Publications] Imahori K,et al.: "Possible role of tau protein kinase in pathogenesis of Alzheimer's disease" Neurobiol Aging. 19. S93-S98 (1988)
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[Publications] Takashima A et al.: "Presenilin 1 associates with glycogen synthase kinase-3β and its substrate tau" Proc Natl Acad Sci USA. 95. 9637-9641 (1988)
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[Publications] 山口晴保: "アルツハイマー病の神経病理" 現代医療. 30. 2783-2788 (1988)
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[Publications] Enya M et al: "Appearance of Sodium dodecyl sulfate-stable amyloid β-protein(Ap)dimer in the cortex during aging" Am J Pathol. 154. 271-279 (1999)
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[Publications] Yamaguchi H: "Molecular Biology of Alzheimer's Disease" Harwood Academic Publishers, 335 (1998)
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[Publications] 山口晴保: "アルツハイマー病" 羊土社(印刷中), (1999)