1998 Fiscal Year Annual Research Report
成熟B細胞に発現するRAG遺伝子産物によるV(D)J再組み換え反応の解析
Project/Area Number |
10833003
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大森 斉 岡山大学, 工学部, 教授 (70116440)
|
Keywords | 胚中心 / 成熟B細胞 / トランスジェニックマウス / V(D)J再構成 / RAG遺伝子 |
Research Abstract |
免疫グロブリン遺伝子はpro-B,pre-B細胞段階で発現するリコンビナーゼであるRAG-1,RAG-2により再構成されるが、成熟B細胞になるとRAG遺伝子の発現が停止するので、一度確定したV(D)Jの構成はその後の分化段階で保持されると考えられてきた。しかし、我々はin vitroでanti-CD40/IL-4で刺激したマウス成熟B細胞や、免疫したマウスリンパ節の胚中心(GC)B細胞にRAGが再発現してくることを見いだした。in vitro,in vivoにおいてRAG-1,RAG-2が再発現する条件で、Vλ1-Jλ1再構成の結果生じるcircular excision productが検出されたことから、再発現するRAGはV(D)Jrecombinaseとして活性であることが示された。このexcision productはリンパ節の胚中心内で主に生成こしていることがin situ PCRにより確認された。RAGが発現する条件でpre-B細胞レセプターのサブユニットであるλ5も発現することが確認された。RAGの誘導に関与するサイト力インの解析から、IL-4以外にIL-7が同等の誘導活性を示すことを見いだした。IL-4(-/-)マウスでは免疫後のRAGの発現は正常であったが、抗IL-7R mAbを投与したマウスではその発現が強く抑制されたことから、in vivoではIL-7がより重要な役割を持つことが示唆された。抗IL-7R mAb投与によりGC形成が非特異的に抑制されることはなかった。抗IL-7R mAbを投与する我々の方法は、in vivoにおける特異的なRAG発現抑制法として極めて有用と考えられる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Masaki Hikida: "Rerrangemento of λ light chain genes in mature B cells in vitro and in vivo. Function of reexpressed recombination-activating gene (RAG) products." Journal of Experimental Medicine. 187・5. 795-799 (1998)
-
[Publications] Hitoshi Ohmori: "Expression and function of recombination activating genes in mature B cells." Critical Reviews in Immunology. 18・3. 221-235 (1998)
-
[Publications] Masaki Hikida: "Expression of recombination activating genes in germinal center B cells : involvement of interleukin 7 (IL-7) and the IL-7 receptor." Journal of Experimental Medicine. 188・2. 365-372 (1998)
-
[Publications] 疋田正喜: "成熟B細胞における免疫グロブリン遺伝子再構成" Annual Review免疫. 14-20 (1999)