1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10835005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
寺内 文雄 千葉大学, 工学部, 助手 (30261887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 光徳 千葉大学, 工学部, 助教授 (60214996)
青木 弘行 千葉大学, 工学部, 教授 (20009757)
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Keywords | 木材 / 視覚 / 木材表面色 / 嗅覚 / ニオイ / 官能検査 / デザイン |
Research Abstract |
本年度は,木材および木質材料の嗅覚特性と視覚特性を明らかにすることを目的として,これらの揮発性成分の分析および材料表面の測色,ニオイや木材表面の特徴を把握するための官能評価実験などを行った。 嗅覚の観点からは,主要な建築用木材および居住空間を構成する木質材料を対象としたヘッドスペースガス分析とこれらのニオイの官能評価実験を行った。これにより個々のニオイの特徴を把握することができた。ついで,これらのニオイが人の心理に及ぼす影響を明らかにするために,気分調査票POMSを用いた被験者実験を行った。その結果,木材のニオイには精神作業を負荷した場合の疲労感を軽減する作用があることが示唆された。 一方,視覚の観点からは試料の表面色を分光測色計によって測定すると同時に,樹種や光源の違いによる視覚イメージの変化を検討するための被験者実験を行った。得られた結果から試料の表面色と木材の視覚イメージとの関連を検討したところ,その色相と認容性(快・不快)および緊張感の間に対応関係があることが明確となった。また,光源の種類および照度を変化させたところ,木質系材料は白熱球下では蛍光灯下より評価が高い傾向にあるものの,照度の違いによる評価差はほとんどないことが明らかとなった。 また,これらの実験によりサンプルの視覚情報の有無がニオイの評価に影響を与えることが示唆された。そこで,どのような視覚情報がニオイの評価に影響を及ぼしているかを明らかにするためにAHPを用いて検討した。これにより,木材表面の[色相・木目・肌目]のいずれもが同程度にニオイの評価に影響を及ぼしていること,材料に対する知識の有無もまた評価に大きな影響を与えていること,材料表面の光沢は評価に及ぼす影響が少ないことなどを明らかにすることができた。
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[Publications] Hideaki Nagino,Fumio Terauchi,Mitsunori Kubo,Hiroyuki Aoki,Goro Imura,Masaru Uehara,Tsutomu Suzuki: "Relation between the Element of Textile Fabrics and Visual Image" Proceeding of the Third Asia Design Conference. 2. 807-812 (1998)