1998 Fiscal Year Annual Research Report
感性的デザインワークを支援するマルチモーダルシステムの研究
Project/Area Number |
10835007
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田野 俊一 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (50282918)
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Keywords | 感性 / ユーザインタフェース / ファジィ連想記憶 / ファジィルール / デザイン / 支援システム |
Research Abstract |
コンピュータによるデザインワークが普及し,各種の描画ソフトはGUIによる感覚的な操作,3次元画像表現,油彩絵具風の表現といった表現力の拡大により利用環境は整いつつある.しかし依然その操作はユーザのセンスや知識に任されている.本研究では,ユーザのデザイン描画を支援するシステムのユーザインタフェースを提案した.その特徴は次の3点にまとめられる.第1は,システムがデザインに関する知識をもつことである.デザインと人間の感性との関わりについての分析を行った結果,(1)デザインを構成する主な要素は色・形・構図である,(2)イメージをデザインにするには,描きたいデザインのイメージを具体的なシーンとして思い浮べ,それをもとに色・形・構図の特徴を抽出し,それらを組み合わせればデザインを描くことができる,ことが分かったので,システムにこれらの知識をもたせた.第2は,ユーザにとって伝えやすいかたちでイメージをシステムに伝えるユーザインタフェースをもつことである.感性を伝える媒体は言語と非言語の両方があることを考慮し,3層の感性言葉のリストボックスからの選択,デザイン候補群からの選択,ペンによる直接操作の可能なインタフェースを設計した.また,人は最初から完全には感性を把握できないことを考慮し,ユーザの感性指示とシステムのデザイン提示の繰り返し操作の可能なインタフェースを設計した.第3は,ユーザの感性に対応してデザイン画を自動的に生成する機構をもつことである.(1)ファジィ理論を用いてユーザの描きたいデザインイメージを推論するアルゴリズムを設計し,(2)推論したイメージからデザイン描画に必要なパラメータを抽出し,それらを用いてデザインを生成するアルゴリズムを設計した.さらに,以上の機能を実現したデザイン描画支援システム上での実験の結果を示し,デザイン画生成支援の有効性を明らかにした.
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[Publications] 市野、田野: "ユーザの感性推定のためのファジィルール直接記憶型連想ネットを用いたデザイン描画の支援" 第14回ファジィシステムシンポジウム. 14. 893-896 (1998)
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[Publications] 市野、千川、田野: "ユーザの感性推定によるデザイン描画システムの評価" 第14回ヒューマンインタフェースシンポジウム. 14. 733-736 (1998)
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[Publications] Tano,Ichino,Chikawa: "Fuzzy Set-based Multistage Associative Inference and Its Application to Kansei design Support System" UJFUZZY'98. 665-672 (1998)