1998 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア・コミニュケーションにおける効果的な音と映像の使い方
Project/Area Number |
10835015
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
岩宮 眞一郎 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (60112356)
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Keywords | 音楽 / 映像 / コンピュータ / アクセント / 時間 / 調和 / 同期 / 印象 |
Research Abstract |
本年度は、音と映像の刺激作成と印象評定実験の準備のために、音と映像の時間的な同期、非同期が、音と映像の主観的調和感にどのような影響を及ぼすのかを求める、予備的な印象評定実験を行った。映像刺激はコンピュータグラフィックスによって制作した。音楽刺激は、MIDI制御のコンピュータ音楽である。音楽の拍節的なアクセントが明確な条件と不明確な条件として、リズムセクションが付けられた条件とメロディだけの場合とを設けた。映像の動きのアクセントが明確な場合として球体が正方形運動をするもの、不明確な条件として球体が円運動をするものを利用した。映像の動きに明確なアクセントがある場合、音楽の拍節的なアクセントと映像の動きが同期していると、主観的な調和感が上昇する。映像の動きに明確なアクセントがない場合には、音楽の拍節的なアクセントと映像の動きの同期、非同期は、それほど主観的な調和感に影響を及ぼさない。同時に、映像の動きのアクセント周期が音楽の拍節的アクセント周期よりも短い場合の方が、短い場合よりも、調和度は低い傾向も示された。音と映像の主観的調和には、両者のテンポの一致という側面も重要であるようだ。また、拍節的アクセントを明確にするためにリズムセクションを付加した場合、メロディだけの場合よりも、主観的調和感は高い。特に、映像の動きのアクセント周期が音楽の拍節アクセントの周期より短い場合、この傾向は顕著である。本年度の予備的実験を通して、刺激作成、評定実験手続きのノウハウを確立した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 菅野禎盛: "On the matching of music and motion picture using computer praphics and computer music." Proc.of 5th ICMPC. 456-468 (1998)
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[Publications] 菅野禎盛: "The effect of accent structure synchronization between music and motion pictures on the feeling of congruency." Proc.of QCAV‘98. 445-449 (1998)
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[Publications] 菅野禎盛: "映像の動きと音楽のリズムの調和について" 日本心理学会第62回大会発表論文集. 700 (1998)
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[Publications] 岩宮眞一郎: "スーパーマーケットにおけるBGMが売場空間の印象に与える効果" 日本音響学会平成10年度秋期研究発表会講演論文集. 655-656 (1998)
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[Publications] 菅野 禎盛: "音楽のリズムと映像の動きの同期が音楽と映像の調和に及ぼす効果" 音楽知覚認知研究. 印刷中. (1999)