2001 Fiscal Year Annual Research Report
複数の主観的評価基準に基づく画像の内容検索及びコーディネーションの研究
Project/Area Number |
10835018
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Research Institution | CHUO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 俊一 中央大学, 理工学部, 教授 (50297107)
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Keywords | 感性モデル / 内容検索 / 例示検索 / 類似検索 / 統計的学習 / 多次元尺度法 / VRML |
Research Abstract |
最終年度にあたり、感性のモデル化技術の到達点を評価すると共に、感性コーディネーションへの応用、テクスチャなどの複雑な対象の分類・識別への応用を試みた。 具体的には、複数色のカラーコーディネーション題材に、知覚感性のモデル化とコーディネーションの分析を行った。本研究では、カラーコーディネイトの事例を分析し、また、隠れたルールを発見するためには、隣接する色彩の対に対する視覚生理・視覚心理的な現象のモデル化が必要と考え、色彩に対する側抑制のメカニズムに注目してこれを数理的にモデル化することを試みた。 視覚生理的また解剖学的に発見されている知見を基に、波長の対比(赤緑の対、黄青の対)や空間解像度を反映させつつ、我々が開発してきた、明暗に対する側抑制の数理的なモデルの一般的な拡張として、色彩に対する側抑制の数理的なモデルをフルカラー画像に拡張した。このモデルに基づき、隣接する2色のコントラストを計測し、人間がカラーコーディネイトからうける印象の近さ(類似度)を評価できることを示した。また、2色対の組み合わせにより、与えられた色を含む適切なカラーコーディネイトを、過去の事例から(半)自動的に生成する手法を開発した。 本年度はまた、多種類のコンテンツが複合されて構成されるオフィスのコーディネイトやガーデンコーディネイトを円滑に進めるためのGUIを試作・評価した。その結果、出来上がりイメージを把握するための物理空間と、検索された結果やデータベース内の情報の間の関係を明示的に理解しやすくするための情報空間の2種類のインタフェースが必要なことを明らかにした。これら2種類の空間は、相互に結び付けて制御されており、相補的に利用者による思考・操作・判断を支援する。
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[Publications] 加藤 俊一: "感性の工学的モデル化とヒューマンメディアデータベース"情報処理学会データベースシステム研究資料. DBS-124-5. 33-40 (2001)
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[Publications] 加藤俊一, 荻野晃大, 他: "やわらかな検索機能と仮想空間インターフェースを持つ電子園芸辞典 -ガーデンコーディネータの試作-"情報処理学会研究会資料. DBS-124-7. 49-56 (2001)
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[Publications] 佐藤あゆみ, 篠原 勲, 加藤俊一: "色差とコントラストに注目したカラーコーディネイトルールの分析"日本感性工学会第3回大会. 252 (2001)
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[Publications] 斎藤知彦, 樋口和英, 加藤俊一: "感性検索システムにおけるGUIとDBに関する考察"日本感性工学会第3回大会. 254 (2001)
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[Publications] 加藤俊一 他: "ガーデンコーディネータのためのGUIの試作と評価"日本感性工学会第3回大会. 255 (2001)
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[Publications] 加藤俊一 他: "テクスチャ検索を利用した室内コーディネイト支援システムの試作と評価"日本感性工学会第3回大会. 256 (2001)