1998 Fiscal Year Annual Research Report
レディオラリア化石に基づく古生物地理区の構築と分布の地史的変遷
Project/Area Number |
10836004
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
相田 吉昭 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (90167768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 豊三郎 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50089778)
|
Keywords | レディオラリア / 三畳紀 / 放散虫 / 高緯度帯 / 古生物地理 |
Research Abstract |
本年度は三畳紀初期・中期の時間面におけるレディオラリア化石画像および露頭画像について古生物学データベースの構築を行い,群集解析を実施した.データベース化を行った試料は,南半球高緯度帯を代表するニュージーランド北島・ワイパパテレーンのリン酸塩コンクリーション(三畳紀中期Anisian-Ladinian),南島ケープルズテレーンのリン酸塩コンクリーション(三畳紀中期Ladinian),ヨーロッパテーチス地域の石灰岩(三畳紀中期Ladinian)から採集している.各試料から産出する全種について,走査型電子顕微鏡で撮影したレディオラリア画像を購入したフィルムスキャナーを通じて,購入した画像データ処理専用コンピュータに取り込みを行った. ワイパパテレーンの4試料について,レディオラリア化石300弱の個体数の画像データベース化を行った.ケープルズテレーンの2試料について100個体以上の画像データベース化を行った.一方,低緯度を代表するヨーロッパテーチス地域の石灰岩の1試料からは,2000個体弱のレディオラリア画像を撮影し,その画像データベースを現在構築中である.また足尾帯の珪質頁岩層(三畳紀初期)の連続層序断面について,150枚近くの露頭画像(lmxlm)のデータベース化を行った. ニュージーランドとヨーロッパテーチス地域の三畳紀中期のレディオラリア化石群集解析の結果,高緯度帯に固有な形態のレディオラリア化石が存在する事が明らかになった.外部骨格は厚く,長球形の外殻でパイローム(pylome)を持つ事で特徴づけられる.これらのレディオラリアはGlomeropyle属として新属を提唱し,7新種の記載を行った.またGlomeropyle属はニュージーランドおよび北東シベリアの三畳系からのみ産出している事,さらにGlomeropyle属の内部骨格構造を観察し,骨針が存在する事を明らかにした.
|
-
[Publications] Takemura,A.: "Preliminary report on the lithostratigraphy of the Arrow Rocks,and geologic age of the northern part of the Waipapa Terrane,New Zealand" News of Osaka Micropaleon To logists(NOM),Special Volume. No.11. 47-57 (1998)
-
[Publications] 五十川 淳一: "栃木県葛生町箕輪地区の層状チャートから産出する前期三畳紀放散虫化石" 大阪微化石研究会誌,特別号. No.11. 81-93 (1998)
-
[Publications] 大高 真由美: "足尾山地葛生町箕輪地区の中部三畳系層状チャート層の放散虫化石層序" 大阪微化石研究会誌,特別号. No.11. 95-113 (1998)
-
[Publications] Aita,Yoshiaki: "Non-Tethyan Triassic Radiolaria from New Zealand and Northeastern Siberia" Geodiversitas. (in press).