1998 Fiscal Year Annual Research Report
潮汐環境における生物リズムのパターン発現の多様性とその測時機構
Project/Area Number |
10836014
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三枝 誠行 岡山大学, 理学部, 助教授 (80135962)
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Keywords | 亜潮間帯 / 小甲殻類 / 昼夜サイクル / 潮汐サイクル / 海水の透明度 / 潮位変動 / 雌雄 / 他種の干渉 |
Research Abstract |
本研究の目的は、亜潮間帯には多くの小甲殻類が生息している。これらの小甲殻類にはどんな種類が見られるのか、また異なった海域で種構成にどのような違いが見られるのか、ということを明らかにする一方、主要な種類については日周遊泳活動が昼夜サイクル、潮汐サイクル、および月齢に対して同調しているのかどうか、もしそうならどんなパターンが発現しているかを知ろうというものである。 野外調査は瀬戸内海(牛窓)を始めとして、太平洋岸(菅島)、亜熱帯(西表島)から亜寒帯(厚岸)にまでおよび、それぞれの場所において、桟橋から排水ポンプを2台降ろし、海水を汲み上げ、その中に含まれる小甲殻類のサンプリングを行った。 サンプリングは30分ごとに、24時間休みなく行われ、1ヶ月にわたって行われた。採集したサンプルはすぐに5%ホルマリンで固定し、サンプリングが終わった後、実験室で種類を同定し、各々の種(もしくはグループ)の出現個体数を数えた。 その結果を要約すると、どの海域でも種類構成には非常に大きな違いは見られないこと、また遊泳活動リズムは小甲殻類全体としては、夜行性が強いが、各々の種類についてみると、昼夜サイクルや潮汐サイクルに対する同調性について海域ごとに大きな特徴が見られることがわかった。遊泳活動リズムのパターン形成に影響する要因として、1)海水の透明度、2)生息場所の潮位変動の大きさ、3)雌雄による遊泳活動の違い、さらに4)他種の影響、が明らかになってきた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Oishi,K., Saigusa,M: "Rhythmic patterns of abundance in small・・・・・" Marine Biology. 印刷中. (1998)
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[Publications] Saigusa,M, Oishi,K: "Patterns of emergence in marine・・・・・" Benthos Research. 53. 95-104 (1998)
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[Publications] Saigusa,M et al.: "Reinforcement of noeturnal emergence・・・・" Marine Biology. (1999)
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[Publications] Saigusa,M., Iwasaki,H: "Ovigerous-hair stripping substance" Biological Bulletin. 6月号 印刷中. (1999)
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[Publications] Saigusa,M et al.: "Formation of the embryo attachment・・・・" Biological Bulletin. 10月号 印刷中. (1999)
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[Publications] Katsube,Y. et al.: "Caseinolytic protease・・・・" Proc Arthropod Embryol Soc. 33. (1999)