1999 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の突然変異修復遺伝子を応用した低周波磁界曝露による生体影響に関する研究
Project/Area Number |
10837015
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
芳賀 昭 東北学院大学, 工学部, 教授 (20048820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 英敏 東北大学, 工学部, 教授 (70134020)
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
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Keywords | 突然変異修復遺伝子 / umuオペロン / 低周波磁界 / チフス菌 |
Research Abstract |
本研究では遺伝子変異能を増強したSalmonella typhimurium TA153(psk1002)(病原性を欠損させたチフス菌)を用いて、ELFMFを曝露した場合、遺伝子突然変異誘発にどのような頻度でなされるかを明らかにすることを目的としている。. 10年度に整備した、実験用低周波磁曝露装置およびumu assay法に基づく低周波曝磁による遺伝子突然変異実験のプロトコールを用いて、遺伝子突然変異誘発の実験を行い、さらにDNA損傷の評価を行った。LB寒天培地で培養したSalmonella typhimurium TA153(psk1002)をエッペンドルフマイクロチューブに入れ、実験用低周波磁曝装置を使い、まず20Hzから100Hzの範囲で周波数を変化し、また、磁界強度については、我々の生活環境に存在する程度の弱磁界強度1.2μTのELFMFを曝露し、細菌の培養温度を42℃と37℃に設定した条件でそれによる遺伝子突然変異誘発の実験をおこなった。その結果、我々の生活環境に存在する程度の弱いELFMF曝露による遺伝子突然変異誘発は微弱である。変異原物質の遺伝子突然変異誘発の評価に使われる場合の、umu assay法によるポジティブ影響の基準レベルは測定値の2倍付近であり、この点を考慮すると、本実験で得られたデータはばらつきの範囲とも考えられ、ELFMF曝露による遺伝子突然変異誘発に十分な有意差があると判断するに至らなかった。
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