1998 Fiscal Year Annual Research Report
運動失調症に対するリハビリテーションの研究(磁気刺激を用いた研究)
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10838002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中馬 孝容 北海道大学, 医学部, 助手 (70281805)
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Keywords | 経頭蓋反復磁気刺激 / 学習・記憶能 / Morris水迷路試験 |
Research Abstract |
rTMSはうつ症状に効果があるといわれており、経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)の安全性について正常マウスを用いて検討し、臨床応用への可能性について検討した。 方法は、7週齢雄マウスを用い、rTMS投与として、10Hz、100回投与群と3Hz、180回投与群、さらに、rTMS非投与群(対照群)の3群に分け、各々rTMSの学習・記憶能への影響について検討した。磁気刺激強度は刺激閾値の130%の出力とし、磁気刺激投与は3週間とした。学習・記憶能の検討には、磁気刺激投与後、Morris水迷路試験を10日間用い、記憶の保持の検討については、磁気刺激投与終了後24日目に同様の迷路試験を用いた。 結果は、Morris水迷路試験2日目に対照群の学習効果が他の群よりも著明であった。しかし、その変化は一過性であり、rTMSによる記憶の保持には影響はみられなかった。 次に、磁気刺激強度を刺激閾値の90%の出力として上記と同様の方法で正常マウスに対するrTMSによる学習・記憶能への影響について検討した。結果は、対照群が第2日目に学習効果が著明に認められたが、5日目以降では3群間において差はみとめられず、また、記憶の保持に対する差も認められなかった。 以上より、rTMSの学習・記憶能への影響は一過性であり、また、実験中けいれんがみられたマウスはみられなかった。rTMSは、磁気刺激の強度、頻度、回数、一連の反復刺激を繰り返す回数を検討することが重要であるといわれており、これらを考慮することにより、安全に臨床応用ができると考えられた。rTMSは様々な疾患に対する効果が期待され、今後は運動失調患者に対して、安全性を厳重に検討した上で、症状に対する改善目的に臨床応用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takayo.Chuma: "Recent Advances in Heman Neurophysiology The pattem of muscular contraction of biceps brachii elicited by magnetic stimulation" ELSEVIER, 1018-1021 (1998)
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[Publications] Yukio.Mano: "Recent Advances in Human Neurophysiology The effect of repetitive magnetic stimulation on ataxic mice" ELSEVIER, 969-972 (1998)