1999 Fiscal Year Annual Research Report
運動失調症に対するリハビリテーションの研究(磁気刺激を用いた研究)
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10838002
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中馬 孝容 北海道大学, 医学部, 助手 (70281805)
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Keywords | 連続磁気刺激 / 上腕二頭筋 / 収縮時間 / 弛緩半減時間 / post-tetanic potentiation |
Research Abstract |
磁気刺激を用いて健常者の上腕二頭筋の筋収縮パターンを検討した。対象は健康な成人13名(男性6名、女性7名)で、平均年齢は男性24.8±2.5歳、女性23.9±4.6歳である。方法は、被験者は安静座位をとり、ひずみ計のプレートに前腕伸側があたるように手関節を固定した。上腕二頭筋の筋腹に円形コイルを設置し磁気刺激を行い筋収縮パターンをひずみ計にて記録した。刺激出力は40%〜100%まで変化させ、筋を単収縮させた。収縮時間、弛緩半減時間を測定した。次に、50Hz、0.5秒間の連続刺激を行い、強縮性収縮を起こさせ、その前後で単収縮を行った時の筋収縮パターンにおける張力の変化について検討を行った。結果は、男性において出力50%の時に張力比は最大に達し、女性においては70%で最大に達した。出力40%、50%における男女間の張力比は男性の方が有意に高かった。収縮時間は男性が76.3±6.8ms、女性が77.7±21.8msで、男女間において有意差は認めなかった。弛緩半減時間は男性が69.7±6.4ms、女性が100.6ms±13.9msで、女性の方が有意に長かった。男女間での差は、slow twitch unit と fast twitch unitの比率が男女間で差がみられるためと推測された。次に、連続磁気刺激前後での強縮性収縮前後での単収縮における張力比は、男性女性ともに連続磁気刺激後の方が単収縮の張力は大きくなっていたが、男性においてより増大傾向がみられた。この現象は、post-tetanic potentiationを示していると考えられた。磁気刺激による筋収縮の分析は、近位筋の生理学的解析に有用な方法であり、臨床応用に発展させ得ると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中馬孝容,眞野行生 他: "mirror movementを呈した症例"臨床脳波. 41(10). 678-681 (1999)
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[Publications] 中馬孝容,眞野行生: "バーキンソン病の治療:リハビリテーションの新しい試み"J of Clinical Rehabilitation. 8(11). 1027-1031 (1999)