1999 Fiscal Year Annual Research Report
反復経頭蓋磁気刺激法のリハビリテーション医学への応用
Project/Area Number |
10838003
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
眞野 行生 北海道大学, 医学部, 教授 (20145882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中馬 孝容 北海道大学, 医学部, 助手 (70281805)
渡部 一郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 助教授 (50241336)
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Keywords | 連続経頭蓋磁気刺激性 / うつ症状 / 痙攣 / 脳波 / 筋電図 / SPECT / パーキンソニズム / 安全性 |
Research Abstract |
反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)を大学の倫理委員会の承認を得て、臨床的に研究した。 目的:リハビリテーションへ意欲の乏しい患者へrTMSを用いて検討した。方法:薬物療法、運動療法、心理療法などで充分な効果がなく、意欲が不十分であった6名のパーキンソニズムを対象とした。rTMSのパラメーターは低頻度(0.3Hz)、30回を1日2回、刺激強度は運動閾値の110〜120%、一週間に原則として5日間で2週間、平円形コイルを用いて行った。モニターはrTMS施行時に脳波、筋電図、ビデオ画像で行った。刺激前後で末血、血液生化学、SPECTを行った。rTMSの評価は臨床所見、神経心理テスト、パーキンソン病スコア(UPDRS)、10m歩行テストなどであった。結果:1例の脳波モニターで一側大脳にrTMS時に3Hzのslow waveが出現し、長くrTMSを続けるとそれは延長する傾向があった。日をかえて再度rTMSを行うと同様なslow waveを認めたため、以後この症例へのrTMSは中止した。筋電図や動作では異常を認めなかった。また数日後の脳波記録では特に異常を認めなかった。1例のSPECTではrTMS後で著明な血流の増加を認めたが、それ以外では有意差を確認できなかった。臨床症状の改善は除外した1例を除く5例中4例にみられ、1例では変化を認めなかった。改善内容ではうつスケール(SDS)は3例に、UPDRSは2例で箸明に改善、痴呆を呈した1例では長谷川式痴呆スケールでの著明な改善があった。UPDRSでの改善をみると抑うつ、意欲などの改善は著明であり、運動機能評価も軽度〜中等度の改善を認めた。1例では、主として動作・歩行での改善であった。考察:意欲に乏しいパーキンソニズムに対して、rTMSを施行した結果、臨床的な改善は、意欲、抑うつの項目でより著明であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中馬孝容、眞野行生 他: "mirror movementを呈した症例"臨床脳波. 41(10). 678-681 (1999)
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[Publications] 眞野行生: "運動神経系の柔軟性とリハビリテーション"脳の科学. 21. 635-641 (1999)
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[Publications] 中馬孝容、眞野行生: "パーキンソン病の治療:リハビリテーションの新しい試み"J of Clinical Rehabilitation. 8(11). 1027-1031 (1999)
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[Publications] 眞野行生: "高齢者の転倒とその対策"医歯薬出版. 273 (1999)