1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838006
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩谷 功 東北大学, 医学部, 教授 (00092148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 直往 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90282045)
関 和則 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20206618)
|
Keywords | 介助時間 / Barthel Index / 体幹下肢運動年令 / 脳卒中上肢機能検査 |
Research Abstract |
介護指数の開発のための基礎研究として今年度はリハビリテーションを目的にして入院中の脳卒中患者の身体機能と介護時間との関係を調査した。福島県のある病院の介護型病床に入院中の65歳以上の脳卒中患者19名(平均年齢74.5歳、男性9名、女性10名、脳梗塞13名、脳出血6名、右片麻痺6名、左片麻痺13名、発症からの経過期間平均669日)を対象として、患者の身体的機能(体幹・下肢運動年齢検査:MAT、脳卒中上肢機能検査:MFT)、標準ADL遂行能力(Barthel Index:BI)評価ならびに看護婦、看護助手に食事、入浴、整容、更衣、排泄、移動、移乗の7動作の介助を行った時間を1分単位で48時間にわたって記録し、介助時間と身体的機能ならびに標準ADL遂行能力との関係を分析した。 全対象患者の48時間当たりの総介助時間は平均131分(28-286分)、各動作あたりの平均介助回数と一回の介助動作当たりの平均介助時間は、食事は6回、16分、入浴は1回、27分、整容は3.4回、3.1分、更衣は1.1回、1.9分、排泄は11.7回、3.6分、移動は11.7回、2.1分、移乗は4.8回、2.1分であった。総介助時間と体幹・下肢運動年齢検査スコアとは相関係数-0.476で負の相関がみられた(p<0.05)。脳卒中上肢機能検査スコア、BIと総介助時間とは有意な相関は認められなかった。体幹・下肢運動年齢検査、脳卒中上肢機能検査スコア、BIの評点が高くなると介助時間が減少するADL項目は食事、整容、排泄、移乗の4項目で、入浴、更衣、移動の3項目は患者の身体的機能、ADL遂行能力とは有意な関係が認められなかった。前4項目の動作介助に要した時間は総介助時間の約60%であり、後3項目の動作介助に要した時間は総介助時間の40%であった。この3項目の介助時間は病院の看護体制など環境に関係する要因で規定されていると考えられた。
|