1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩谷 力 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00092148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 直往 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90282045)
関 和則 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20206618)
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Keywords | 介助時間 / 介助作業工程数 / FIM / Barthel Index / 介助負担感 |
Research Abstract |
脳卒中患者が日常生活活動(ADL)を遂行するに必要となる介助量を客観的に測定し、介助量を規定する要因を明らかにするために研究を行った。療養型病床群の病院に医学的リハビリテーションを目的に入院中の44名の患者に対して連続した48時間に看護婦が行う看護・介助作業を1分ごとのタイムスタディ、介助作業工程数、介助負担感の面から計測、解析した。測定は移乗、排泄、補食、整容、食事、体位交換、移動、リネン交換,更衣、医療、会話、入浴の各介助動作に要した時間、介助作業工程数である。介護負担感は自記式調査用紙にて身体負担感と精神的負担感を訊ねた。測定結果はSPSSを用い統計学的に解析した。結果は介助量に関連した介助時間、工程数と負担感とは互いに独立した因子であること、介助時間は患者の日常生活活動遂行能力(FIMまたはBarthel Index評点)と認知機能障害の有無により60数%説明可能であった(累積介助時間=264.961-1.638×FIM評点、または227.532-1.672×BI評点)。身体的負担感は運動機能と精神的負担感は認知機能と関連性がみられたが、説明力は低かった。さらにリハビリテーション治療を受けて自宅退院した脳卒中患者とその家族91組を対象として患者のADL遂行能力と家族の負担感を調査し、以下の結果を得た。主たる介護者は配偶者73%(妻:45%、夫:28%)、嫁13%、娘7.7%、息子6.6%であった。介護者の介護負担感は患者の日常生活自立度(Barthel Index評価点)、家族構成人数と有意な関連性が認められた。負担感が最も強い介護作業は階段昇降であり、ついで更衣、トイレ動作、移動、移乗、入浴、食事、整容の順であった。尿失禁、便失禁の有無と負担感の強さの間には有意な関連性は認められなかった。また介護負担感は妻が夫を介護する場合が夫が妻を介護する場合よりも強かった。
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