2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩谷 力 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00092148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 直往 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90282045)
関 和則 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20206618)
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Keywords | 在宅高齢障害者 / 介護者 / 介護度 / 介護負担感 / 時間的拘束感 / 外出頻度 / 副介護者 / 代替介護者 |
Research Abstract |
在宅高齢者を介護する家族介護者の介護負担感と時間的拘束感ならびに外出の頻度との関連を明らかにし、時間的拘束感に関連する被介護者・介護者の要因、介護の支援状況を検討した。対象は、一地域において在宅介護を行っている102世帯の中で、調査への協力が得られた43世帯の要介護高齢者および家族主介護者とした。介護者に対する電話調査、留置法によるアンケート調査、ならびに訪問調査を実施した。被介護者の性別は男性21名(48.8%)、女性22名(51.2%)、平均年齢79.3±9.3歳であり、要介護となった原因疾患は脳卒中が29名(67.4%)と最も多かった。介護者の性別は男性11名、女性32名、平均年齢66.0±9.9歳であり、被介護者との続柄は妻17名、嫁10名、夫8名、娘5名、息子2名、婿1名であった。介護者の主観的介護負担感は中谷による介護負担尺度を用いて測定し、時間的拘束感ならびに外出の頻度との関連を検討した。さらに時間的拘束感に関連する被介護者・介護者の基本的属性、日常生活活動能力、介護の支援状況、外出の頻度等の要因を検討した。介護負担感と時間的拘束感とは有意な相関を示し、介護負担感が強い介護者ほど、時間的拘束感がより強い傾向が認められた(p<0.01)。過去1週間に自分の用事で外出した頻度が低いと回答した介護者ほど介護負担感がより強い傾向を認めた(p<0.01)。時間的拘束感は、要介護度が高い(p<0.01)、副介護者がいない(p<0.05)、代替介護者がいない(p<0.05)、過去1週間に自分の用事で外出した頻度が低い(p<0.01)、過去3ヶ月間に地域行事へ参加した頻度が低い(p<0.05)、1年前と比較した主観的健康状態が不良である(p<0.05)ほど、より強く認識されていた。これらのことから、介護者の介護負担感は時間的拘束感と、また介護負担感、時間的拘束感は外出の頻度とも関連することが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大高香織,岩谷力 ほか: "在宅脳卒中後遺症者における社会的な活動能力に関連する要因の検討"リハビリテーション連携科学. 1:1. 191-203 (2000)
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[Publications] 渡辺恵子,岩谷力 ほか: "入院中の高齢脳卒中片麻痺者への看護婦による介助時間の検討"リハビリテーション連携科学. 1:1. 204-213 (2000)