2000 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者の情報獲得を支援する手話通訳システムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
10838009
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
安達 久博 宇都宮大学, 工学部, 助手 (00241844)
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Keywords | 手話 / 通訳システム / 聴覚障害者 / 言い換え / 機械翻訳 / 自然言語処理 / 要約 / ニュース速報文 |
Research Abstract |
本研究課題は,聴覚障害者の情報獲得を支援することを目的に,ニュース速報文を手話アニメーションに言語変換(翻訳)を行うシステムを実現(構築)するための基礎的な研究,すなわち,要素技術についての検討を行った.特に,ニュース速報文のヘッドラインの翻訳技術について検討した.ヘッドライン文は,字数の関係で簡潔な短文で構成される.その結果,助詞が省略されたり,難解な漢字連続の複合語を生成してしまい,辞書引きや構文解析に失敗する傾向がみられる.そこで,本研究では,ニュース記事の特徴的な論理構造に着目し,省略された助詞等の文法情報を復元する方式を考案した.すなわち,ヘッドライン文はリード文の要約または縮約に相当し,リード文は本文記事の要約結果と捉えることができる.そのため,ヘッドライン文の省略情報の多くは,要約前のリード文中に保持されている可能性が高い.実験の結果,提案手法の妥当性を示す結果が得られた.これらの研究成果は,3月末に開催される言語処理学会の「言い換えに関するワークショップ」の発表論文として採択された.また,5月に韓国で開催される国際会議(ICCPOL)にも論文が採択された.このように,本研究課題での成果は国際的にも高い評価を得ている.
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[Publications] 安達久博: "手指動作記述文間の類似性に基づく類似の動作特徴を含む手話単語対の抽出方法"自然言語処理. Vol.7,No.4. 247-259 (2000)
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[Publications] 安達久博: "あるテキストの要約結果と捉えられる文を言い換えるには、元のテキスト情報を使わない手はない-言い換えと要約/縮訳との相互関係-"第7回言語処理学会年次大会論文集. 11S(3月発表). (2001)
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[Publications] Hisahiro Adachi: "A Paraphrase Method of Japanese Headlines Using Information of Lead Sentences"Proc. of ICCPOL' 2001 (韓国). Vol.1(5月発表). (2001)