1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838010
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 伸也 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (40251293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 弥生 国立長寿医療研究センター, 老人ケア研究部, 部長(研究職)
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Keywords | 末期癌 / リハビリテーション / QOL / 体力消耗状態 / ADL / 緩和ケア / 老年医学 / 疼痛 |
Research Abstract |
1.末期癌患者に対するリハビリテーションアプローチの基礎的検討 末期癌患者のリハ実施上問題となる症状のうち、もっとも頻度の多い疼痛について以下の研究を行った。 対象:1998年10月〜1999年2月に初診の末期癌患者で、「ハイリスク・体力消耗状態」を呈した10例。 調査項目と結果:昨年度作成した包括的QOL評価法にも基づく評価を行い、疼痛の原因として(1)疾患レベルで(1)骨転移、(2)変形性関節症等の既存疾患の再燃、(3)神経・漿膜等への癌浸潤、(2)手術、カテーテル留置等の治療操作・器具の影響、等を認めた。そして、これらの症状の日内変動が大きかった。不適切なADL実行方法、特に移動に必要な起きあがり動作が疼痛を増悪させ、さらにADL低下を招くという悪循環を形成している例が6例認められた。 以上から、ADL上必要となる動作と関連した疼痛の評価法、一日の疼痛の変化と活動性を記録する用紙、疼痛との悪循環を防止する動作・介助方法の教育資料を作成した。 2.1999年2〜6月に初診となった末期癌患者について、1.の結果に基づく、新しい評価方法とADL指導と介助方法の教育を行った結果、リハ開始2週間後には、初診時に比べて、ADL自立度が著しく向上した。特に、疼痛が大きい時のADL自立度は有意に改善し、疼痛とADLの悪循環が減少した。患者および家族に対して行った包括的QOL評価の結果からも効果を認めた。
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[Publications] 木村伸也: "末期癌患者のリハビリテーション・アプローチ(2) 「ハイリスク・体力消耗状態」における疼痛とADL指示"リハビリテーション医学. 36(II). 842-843 (1999)
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[Publications] 木村伸也: "末期癌患者のリハビリテーション・アプローチ(3) 「ハイリスク・体力消耗状態」患者と家族のADLについて"リハビリテーション医学. 36(II). 843-843 (1999)
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[Publications] 木村伸也: "高齢末期癌患者のリハビリテーション・アプローチの開発-特に「ハイリスク・体力消耗状態」の観点から"高齢者の医学・医療に関する研究. 14(I). 54-57 (1998)