1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中者の音声言語障害に対する新しいリハビリテーションプログラムの開発-軟口蓋挙上装置と鼻腔陽圧負荷治療を併用する機能訓練治療法-
Project/Area Number |
10838019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
舘村 卓 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60188266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 久永 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80273697)
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Keywords | 脳卒中 / スピーチエイド / 音声言語 / 鼻咽腔閉鎖 / 口蓋帆挙筋 / リハビリテーション |
Research Abstract |
(1)軟口蓋挙上装置(Palatal Lift Prosthesis:PLP)による口蓋帆挙筋疲労が抑制できるかを検討した.被験者は,健常者および口蓋裂患者,ならびに当部初診脳卒中患者であった.健常者においては実験的PLPを作成後,他の被験者である患者群において装置完成後において,PLP装着時・非装着時における種々のtaskでの口蓋帆挙筋筋電図を採取し,PLP装着による筋疲労の軽減効果をFFT分析により検討した.FFT分析には,/pu/の連続表出時の口蓋帆挙筋活動をComputerを介してMacLabに取り込み,MPF(Mean Power Frequency)の経時的変化を検討した.その結果,全ての被験者において,装着時にはMPFの経時的低下率は小さくなり,PLPの疲労軽減効果が認められた. (2)PLP装着下に現有する実験的鼻腔内陽圧(Continuous Positive Air Pressure:CPAP)負荷装置(日口蓋誌,13(2):1994)により持続的に鼻腔内に種々の高さの陽圧を負荷し,口蓋帆挙筋活動が賦活されるかを健常者1名,口蓋裂患者3名により検討した.その結果,CPAP負荷により,鼻腔内圧が高くなると口蓋帆挙筋活動が上昇する結果が得られた.このことは,PLP装着により口蓋帆挙筋疲労を軽減した上で,持続的に鼻腔内に陽圧を負荷することによって,鼻咽腔閉鎖強度を強化できる可能性を示唆している.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 舘村 卓: "スピーチエイドの鼻咽腔閉鎖機能賦活効果の生理学的背景-鼻咽腔閉鎖不全に伴う口蓋帆挙筋疲労とスピーチエイドによる疲労抑制-"日本口蓋裂学会雑誌. 23・4. 273-281 (1998)
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[Publications] 舘村 卓: "スピーチエイドによる鼻咽腔閉鎖機能賦活効果の生理学的背景-健常者での軟口蓋挙上に伴う口蓋帆挙筋活動領域の変化-"音声言語医学. 40・2. 114-119 (1999)
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[Publications] 舘村 卓: "境界線上の鼻咽腔閉鎖不全状態における内視鏡所見と nasalance score の乖離-Palatal Lift Prosthesis (パラタルリフト)作成過程に伴う nasalance score の変化"音声言語医学. 40・2. 107-113 (1999)
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[Publications] TACHIMURA T.: "Effect of a speech appliance on levator veli palatini musle activity during blowing"Cleft Palate-Craniofacial Journal. 36・3. 224-232 (1999)
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[Publications] 舘村 卓: "脳血管障害・頭部外傷による運動障害性構音障害における鼻咽腔閉鎖機能-口蓋帆挙筋の筋電図による検討"音声言語医学. 41・1(印刷中). (2000)
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[Publications] TACHIMURA T.: "Effect of a speech appliance on levator veli palatini musle activity during speech"Cleft Palate-Craniofacial Journal. 37・3(印刷中). (2000)
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[Publications] TACHIMURA T.: "Nasalance score variation in normal adult Japanese speakers of Mid-West Japanese dialect"Cleft Palate-Craniofacial Journal. 37・5(印刷中). (2000)