1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838031
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
世木 秀明 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (60226636)
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Keywords | 構音障害 / 音響分析 / パワー変化速度 / スペクトル変化速度 / 発話時間長 / DPマッチング |
Research Abstract |
本年度は、構音障害患者の構音を評価するための効果的な音節、単語、文などの選定を行い、これらを客観的に評価するための評価パラメータについて検討を行うことを中心に研究を進めた。また、対象とした構音障害は、中枢神経疾患による運動障害性構音障害とした。具体的な研究内容は、以下の通りである。 1).運動障害性構音障害患者の構音を効果的に評価するための検査文の選定を行い、音響分析を行うための検査文として構音異常を発見しやすいとされる無声破裂子音/p/および、/k/を含む3モーラ無意味音節/apapa/および、/akaka/を「いい〜です。」の中に埋め込んだ文とした。さらに、言語療法士と患者間の自由発話音声も聴覚印象評価音声として収録し、使用することにした。収録を行った正常者音声は、35例350音声、患者音声は、28例168音声であった。 2).運動障害性構音障害患者構音の評価を行うための音響的評価パラメータの検討を行い、検査文中に含まれる無声破裂子音/p/または、/k/に続く母音/a/のスペクトル変化速度、パワー変化速度、検査文全体の発話時間長および、患者音声と正常者音声のパワー変化パタンの差異をDPマッチング法により求めた評価値の4種類の評価値を音響的評価パラメータとすることとし、評価プログラムを開発した。また、言語療法士による聴覚印象評価の評価項目は、検査文における発話リズムの異常、発話速度の異常、構音状態の異常および、自由発話における発話明瞭度とプロソディの異常度とした。 3).聴覚印象評価と音響的評価パラメータの関係についての検討を行った。検討の結果、言語療法士4名が行った聴覚印象評価項目のうち、特に構音状態の異常とパワー変化速度との間、発話速度の異常、プロソディの異常度と発話時間長および、DPマッチングにより得られた評価値との間において高い相関が見られた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 世木秀明,渡辺陽子,桐谷滋,広瀬肇: "運動障害性構音障害の構音の評価(第3報) -DPマッチングを使用した評価-" 第43回日本音声言語医学会総会・学術講演会予稿集. 109-109 (1998)
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[Publications] Liguang Zhou,Hideaki SEKI and Ken'iti KIDO: "An Investigation of the Chinese Rolling Tongue Consonants by Time-Frequency Analysis." Proceedings of Forth International Conference on Signal Processing (ICSP'98). 698-701 (1998)
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[Publications] 周立剛,世木秀明,城戸健一: "音素編集合成音による中国語そり舌音特徴の検討" 日本音響学会平成10年度秋季研究発表会論文集. 第I分冊. 337-338 (1998)
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[Publications] 周立剛,世木秀明,城戸健一: "中国語そり舌音特徴の時間周波数分析による検討" 日本音響学会誌. 54巻8号. 561-567 (1998)
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[Publications] 周立剛,世木秀明,城戸健一: "中国語そり舌音(巻舌音)を含む単語音声のスペクトル特徴とその聴覚による検討" 日本音響学会音声研究会資料. SP98-20. 49-56 (1998)