1998 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害患者の機能的予後予測-SIASとFIMを用いての研究-
Project/Area Number |
10838036
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
千野 直一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正門 由久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10173733)
園田 茂 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10197022)
木村 彰男 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70118941)
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Keywords | 脳卒中 / 機能障害 / 能力低下 / SIAS / FIM |
Research Abstract |
脳卒中機能評価法(SIAS)および機能的自立度評価法(FIM)を用いて、脳卒中患者の入院リハビリテーション(以下リハ)の効果を入・退院時で検討した。 Str okeimpairment assessment set(SIAS)は、脳卒中機能障害測定法で、項目として上肢、下肢合計5項目の運動機能、腱反射、筋緊張、触覚・位置覚の感覚機能、関節可動域疼痛、坐位、腹直筋筋力、半側空間失認、言語、非麻痺側大腿四頭筋筋力、握力について4-6段階で評価する。これの信頼性および妥当性の検討、検者間の再現性の検討等を行い、良好な結果を得た。また能力低下の指標としてFIMはBarthel lndexの評価項目にコミュニケーションと社会認知および行動を含めたADLを7段階で評価するものである。 慶應義塾大学病院リハ科および関連8病院リハ科に入院した初回発作の脳卒中患者190名の入・退院時のSIASおよびFIMを比較検討した。患者の内訳は、男性116名、女性74名、病名は脳梗塞110例、脳出血70例、クモ膜下出血10例で、左脳障害95名、右脳障害95名であった。年齢は14歳から92歳で平均61.4歳、発症から入院までの期間は平均47.3日。 SIAS運動項目(麻痺の程度を示す)は入・退院時で0.4〜0.7の改善が各項目にみられたが、入院時には正常の運動機能の40〜60%、退院時でも正常の50〜70%と障害が残存した。FIM運動項目合計点(満点91点)は入院時59.4点、退院時78.2点と著明な改善がみられ、認知項目合計点(満点35点)も入院時28.6点、退院時31.5点と軽度の改善がみられた。また、項目別自立度(FIM各項目の修正自立以上すなわち6点と7点の人数の全体の人数にしめる百分率)によるADLのパターンは入・退院時で著変なく、すべての項目に一律に改善がみられた。
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