1998 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下時の舌背後方部および舌骨の運動解析-超音波矢状断規格撮影法を用いた食品物性の対応-
Project/Area Number |
10838037
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大塚 義顕 昭和大学, 歯学部, 助手 (10266166)
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Keywords | 嚥下 / 舌 / 舌骨 / 運動解析 / 超音波 / 矢状断 / 食品物性 |
Research Abstract |
平成10年度科学研究費報告(第1年度) 超音波診断装置を用いて矢状断面での嚥下時の舌骨の挙上運動の再現性と舌背後方部の動きの解析法の検討を行った。また,舌骨の挙上運動と舌背後方部の動きを同時に描出できる方法の検討も行った。 1. 被験者の顎下部から矢状断面で,舌骨および舌根部が同時に描出できるエコーウインドと嚥下時に前頚筋の動きに影響を受けない探触子の角度および保持方法について検討した。研究計画で挙げたコンベックス型探触子(PVF-575MT)では、視野角が狭く十分な情報が得られ難いことが判明した。そこで嚥下時に前頚筋の動きに影響を受けない体表接触面積の小さなかつ視野角が大きい探触子に変えることで解決できた。また,探触子固定装置を使うことで安定した画像が得られた。 2. 舌骨の挙上運動の再現性について検討した。被験者の側頚部から舌骨が明瞭に描出できるように探触子を固定して,5名の被験者に5ccの液体嚥下時の舌骨動態を5回記録して解析をおこなったところ運動パターンがほぼ類似しており,舌骨は,緩徐に挙上,下降しているときにくらべ,嚥下反射が誘発された急速挙上の開始時から急速下降が終わるまでの間で,ばらつきが小さく再現性が高い運動であることが示唆された。 3. 舌根部の動きの解析方法について矢状断面での嚥下時舌背面の描出画像から1フレームごとに舌背上縁部と後縁部を結んだ線分の交点の経時的な運動軌跡を観測することにした。これには,現有の画像解析ソフトのバージョンアップとビデオ計測装置(VS-350A)が必要なため購入した。 その他に,研究を遂行するためにビデオレコーダ(SVO-9500MD),2画像同期入力装置(FOA社製CSF-101)とビデオタイマー(FOA社製 VTG-33)を購入した。さらに現在は,嚥下時の舌運動のトリガーとして圧カセンサ(共和電業社製 PS-2KA)を用いる方法について検討中である。 第2年次は,実際に液状食品の物性の違いにおける矢状断面での嚥下時の舌骨および舌根部の動きの解析を行っていく予定である。
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