1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838045
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
阿波 啓造 関西大学, 工学部, 助教授 (70067700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 万博 関西大学, 工学部, 教授 (80268309)
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Keywords | 車椅子 / 階段昇降 / 自動走行 / サブサンプションアーキテクチャー / SSA |
Research Abstract |
下肢不自由者の多くは、車椅子を利用して日常の生活を行っているが、段差乗り越えや階段昇降など通行に介助者を必要とする所が多く、移動用車椅子開発の大きな課題となっている。本研究では、将来車椅子に適応させることを目的とした、階段昇降が可能なロボットの開発に当たってその問題を以下に示す。 (1) 階段昇降中、滑落が生じたり、車椅子の姿勢の変動が大きい等乗り心地の面で不具合が生じた。 (2) 接触センサー、近接センサーの使用による設置スペースの確保が難しく、小型、簡素化できない。 (3) また開発してきたセンサーの誤動作、外乱等の予測とその除去が難しく、安全を確保できない。 (4) ロボットの制御には、計算機を用いた従来型の制御手法を用いたが、開発途中での制御手法の改変、また予測外の環境の変化等に対応できない。以上のような問題解決のため、この1年で行なった研究を示す。まず(1)について、傾斜センサーにより車体を水平に保つ制御を行い、それにともなって、脚を垂直に制御できるよう改造を行ない、センサーの負担を軽くし、滑落を防いだ。(2)(3)については、CCDカメラを用い、階段昇降時には安全確保のため足元のセンサー専用としたつカメラは平地自動走行の際にも用いられる。(4)については、開発時の制御手法変更等において、システムを改変する事無く、新しい手法を付加することによって対応できる新しい手法を用いた。更に環境の変化にも対応でき、安定性、高速性を備えた手法であるサブサンブションアーキテクチャ法を用い、人間と共存して移動できるシステムの構築を目指している。車椅子の作製には至っていないが、CCDカメラの画像処理、モデルの作製、実験により、本年度の目的は八割達成できたと思われる。研究成果は、平成11年3月18日機械学会関西支部、関西大学にて発表の予定である。
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