1999 Fiscal Year Annual Research Report
健康牛並びに第四胃疾患牛における第四胃壁在神経・内分泌細胞の免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
10839001
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
田口 清 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50250535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 則夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30281877)
北村 延夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (70142792)
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Keywords | 乳牛 / 第四胃 / 壁在神経 / 内分泌細胞 / 免疫組織化学 / 神経節 / 神経線維 |
Research Abstract |
本研究では現在牛に多発している第四胃変位および第四胃食滞の発生原因を胃壁在神経障害との関連から明らかにする目的で以下の検索を行なった。 1.乳牛の健常第四胃壁在神経の免疫組織化学的研究: 未だ不明な点の多い第四胃壁在神経の分布を免疫組織化学的に検索した。乳牛第四胃の粘膜下層および筋層にPGP9.5,NFPおよびSP神経が存在し,とくにPGP9.5染色では粘膜下神経叢・粘膜下層・筋層間神経叢および内外筋層での神経分布が明視された。 2.実験的迷走神経切断牛における複胃壁在神経の免疫組織化学的研究: 胸部迷走神経切断による壁在神経の形態学的変化は,一定期間後(術後14日目)に発現し,胸部迷走神経の第四胃壁への分布は腹側胸部迷走神経が主体で,部分的神経切断例では非切断神経と胃壁内在神経によるreinnervationが明らかにされた。 3.第四胃疾患自然発生例における複胃壁在神経の免疫組織化学的研究: 第四胃変位例の第四胃壁におけるPGP9.5神経分布は粗で、とくに第四胃捻転例で少なく,その程度は全胸部迷走神経切断例の術後14日目における所見と同程度であった。 以上の結果から、第四胃変位・第四胃食滞発生の必要前提条件として,第四胃壁における神経要素の減少(第四胃運動低下)が存在し,濃厚飼料の多給,周産期疾患あるいは他臓器疾患(創傷性第二胃炎など)が"引き金"となって第四胃変位あるいは第四胃食滞が発生することが強く示唆された。今後は胃液分泌制御に関与する内分泌細胞の分布パターンを明らかにすべきであると考える。
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