1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10839002
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡田 啓司 岩手大学, 農学部, 助手 (60233326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 瓏郎 岩手大学, 農学部, 教授 (20003783)
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Keywords | 子牛白痢 / 母乳性白痢 / 黒毛和種牛 |
Research Abstract |
子牛に特定脂肪酸を添加した代用乳を哺乳させ、その臨床症状と糞便中脂肪酸組成および血液性状の変動について検討した。2〜3週齢のホルスタイン子牛20頭を5頭ずつ4群に分け、無投与コントロール群(C群)、パルミチン酸投与群(P群)、ステアリン酸投与群(S群)、オレイン酸投与群(O群)とした。体重の5%量の代用乳に代用乳の2%量の脂肪酸をそれぞれ添加して、試験日の朝夕2回、12時間間隔で哺乳させた。採血および糞便の採取は試験日の朝の投与前から48時間まで経時的に行った。血液生化学検査はTG、βLipo、FFA、Tcho、PL、TBA、BUNおよびGluについて行った。糞便は微生物検査を行うとともに、凍結糞便を用いて糞便中TG量およびその脂肪酸組成の分析を行った。 その結果、C群の1頭、P群の5頭、S群の2頭、O群の5頭で糞便性状または色調の変化が見られた。糞便性状の変化時に腸内細菌数の有意な変化は見られず、ロタウイルス抗原は終始陰性であった。血液成分では、P群およびS群でTGの増加傾向、Tcho、Gluの低値、O群でFFA、TBAの増加、Tchoの低値を示した。また、P群およびS群では投与脂肪酸の排出増加による糞便中TGの増加を示し、O群では糞便中水酸化脂肪酸の増加傾向が見られた。以上の成績より、長鎖飽和脂肪酸投与(P群、S群)による糞便性状の変化は、吸収率の悪い長鎖飽和脂肪酸の増加により、吸収できなかった脂質が水分の分泌を促進し、排出されたものと推定された。長鎖不飽和脂肪酸投与(O群)による糞便性状の変化は、腸内常在菌による脂肪酸の水酸化が進行して吸収不良に陥るとともに、水分の分泌が促進されて生じたものと推定された。
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