1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10839010
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中間 實徳 山口大学, 農学部, 教授 (90081596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇根 智 山口大学, 農学部, 助手 (60294659)
中市 統三 山口大学, 農学部, 助教授 (60243630)
田浦 保穂 山口大学, 農学部, 教授 (80163153)
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Keywords | イヌ / 椎間板ヘルニア / 椎間板髄核 / 軟骨異栄養症 / 非軟骨異栄養症 / MRI |
Research Abstract |
イヌでは品種別に椎間板髄核の構成成分が異なり、軟骨異栄養型と非軟骨異栄養型とに分類され、その変性時期や椎間板ヘルニアの罹患率は異なっている。椎間板ヘルニアの発症と椎間板髄核の変性との関連性が重要視されているが、現在までのところその全容は明らかになっていない。本年度は、MRIによるイヌの変性椎間板の描出を目的とした研究を実施した。MRIは当大学に設置されている永久磁石型MRI(日立メディコ社製MRP-20、0.2Tesla)を使用し、軟骨異栄養型犬種(例:ダックスフンド、ビーグル、シーズー)の椎間板髄核と非軟骨異栄養型犬種(例:マルチーズ、狆)の椎間板髄核のMRlを比較。 今回検討した症例は1993年9月から1997年4月までの3年8カ月間に椎間板ヘルニアと診断されたイヌ65症例で、その内訳は軟骨異栄養症48例、非軟骨異栄養症17例である。撮像方法は、T2強調矢状断面像(TR/TE=2000/90 msec)を基準像とした。椎間板の信号強度はその髄核部分に関心領域を設定した。その結果、信号強度変化率は軟骨異栄養症が55.9(±19.9)%であったのに対し、非軟骨異栄養症は39.5(±22.4)%となり、有意差(P<0.05)が認められた。今回基準としたT2強調画像における信号強度変化率は主として椎間板内の水分含有量の変化を示していると考えられる。軟骨異栄養症と非軟骨異栄養症とで信号強度変化率が異なった原因として、軟骨異栄養症の椎間板髄核は遺残脊索と軟骨組織もしくは類軟骨組織から構成されているのに対し非軟骨異栄養症の髄核は遺残脊索のみで構成されており、これがMRlの信号強度の変化に反映されたものと考えられた。
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[Publications] 田賀淳夫・田浦保穂: "犬の嚢腫性二分脊椎症の脊髄造影X線およびMRI所見" 日獣会誌. 51(2). 81-84 (1998)
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[Publications] 田賀淳夫・田浦保穂: "犬の嚢腫性二分脊椎症例に対する背側椎弓切除術および皮膚洞切除術" 日獣会誌. 51(10). 591-594 (1998)
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[Publications] Taga,A.・Taura,Y.: "The advantage of magnetic resonanoe imaging in diagnosis of cauda equina syndrome in dogs" J.Vet.Med.Sci.60(12). 1345-1348 (1998)
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[Publications] 田浦保穂: "神経(脊椎・脊髄)疾患の治療" ProVet. 125. 39-47 (1998)
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[Publications] 田浦保穂: "骨格標本で示す骨外科手技(9)胸腰椎の骨折に対するルブラプレート法およびステープリング法による椎体固定術" Surgeon. 2(4). 66-70 (1998)
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[Publications] 田浦保穂: "骨格標本で示す骨外科手技(10)ウォブラー症候群に対する外科手術的治療法" Surgeon. 2(5). 77-81 (1998)
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[Publications] 田浦保穂: "骨格標本で示す骨外科手技(11)環椎・軸椎亜脱臼に対する外科手術的治療法" Surgeon. 2(6). 84-87 (1998)
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[Publications] 中間實徳: "小動物の脊椎・椎間板疾患:診断と治療(中間實徳監修)" インターズー, 211 (1998)
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[Publications] 田浦保穂: "小動物の脊椎・椎間板疾患:診断と治療(中間實徳監修)" インターズー, 211 (1998)
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[Publications] 中市統三: "小動物の脊椎・椎間板疾患:診断と治療(中間實徳監修)" インターズー, 211 (1998)