1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10839014
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Research Institution | RAKUEN GAKUEN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷山 弘行 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (90133800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 健 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (10241069)
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Keywords | 精腺 / 腫瘍 / インヒビン / 免疫組織化学 / ホルモン / ライデッヒ細胞 |
Research Abstract |
イヌの性腺原発腫瘍は4つの型に分類され,このうちインヒビンを合成・分泌する型はライデッヒ(L)細胞腫であるとわかった.それで,性腺腫瘍を有する個体の血中インヒビン濃度を測定した.また腫瘍摘出後の変化を,さらにFSH,LH,プロスタグランディン-4,テストステロンなど性腺ホルモンの血中濃度に対する影響も合わせて検討した.L細胞腫の場合,正常犬および他の型の腫瘍を持ったイヌよりも有意に血中インヒビン濃度が高く,かつFSHの強い分泌抑制を来していたが,他の性腺ホルモンに対する有意な影響は観察されなかった.L細胞腫の摘出後には血中濃度は激減し,かつFSHの分泌の抑制が解除され正常犬と同等に回復した.このことから,L細胞腫においてインヒビンは過剰に合成・分泌され,FSHの分泌影響を与える機能性であることが明らかになった. 性腺におけるインヒビン分泌細胞は動物種,性成熟によって変化することが知られているが,イヌでは不明である.そこで,出生直前と誕生後6ケ月までの精巣を収集し,免疫組織学的に検索したところ,胎児後期〜誕生後1ケ月齢までは間細胞が優勢を示し,精細管の形成とともに間細胞は減少する.この時期は間細胞に強いインヒビン陽性が認められたが,精細管内のセルトリー細胞にも陽性反応が観察された.セルトリー細胞はこのあと6ケ月齢ごろまで陽性反応を示すが,成熟とともにその反応は減弱し,成犬では陰性を示すようになる.したがって,イヌの場合性腺の発生,成熟とともにインヒビンの発現細胞が異なるが明らかになった.
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