1998 Fiscal Year Annual Research Report
Ehrlichia canisの分離およびその分子生物学的・免疫学的解析
Project/Area Number |
10839019
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
山本 静雄 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (40130900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 真 名古屋市衛生研究所, ウイルス部, 主任研究員
猪熊 壽 山口大学, 農学部, 助教授 (70263803)
福山 正文 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (40075932)
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Keywords | Ehrlichia canis / クリイロコイタマダニ / ダニ媒介性感染症 |
Research Abstract |
平成10年度は感染犬の血液からのEhrichia canis(E.canis)の分離、PCR法によるクリイロコイタマダニからのE.canisの検出および3地域のイヌにおけるE.canisの抗体調査に関する研究を実施した。 1. E,canisの分離に関する研究 E.canisの抗体陽性率が高い沖縄県下で採取したE.canisの抗体およびPCR陽性のイヌの白血球をDH82細胞で培養し、E.canisの分離を試みた。その結果、E,canisのDH82細胞への感染が確認された例もあったが、雑薗の混入が原因でE.canisを分離するに至らなかった。そこで、E.canisの抗体とPCRが共に陽性のイヌの血液を6頭のビーグル大に輸血したところ、1頭でE.canisの抗体が陽性に転じた。この輸血本の感染血液をDH82細胞で培養し、E.canisの分離を行うべく実験を継続中である。 2. クリイロコイタマダニからのE.canisの検出 ダニの活動が終息する時期に5カ所で採取したクリイロコイタマダニについてE.canisのPCRを実施したが、いずれも陰性であった。平成11年度はダニの活動期に抱血ダニと未抱血ダニを用いてE.canisのPCRを実施する計画である。 3. 各地のイヌにおけるE.canisの抗体調査 本研究計画前の沖縄県下の捕獲大442頭ではE.canisの抗体陽性大は89頭(20.1%)であったが、新たに同地域の捕獲犬188頭について検査し、40頭の陽性大(21.3%)を見出した。これらを合計すると630頭中129頭(20.5%)がE.canis抗体陽性であった。 徳島市周辺の飼育大では341頭中8頭(2.3%)がE.canjsの抗体が陽性であった。その中でピロプラズマ陽性犬36頭では3頭(8.3%)、それ以外では305頭中8頭(1.6%)がE.canisの抗体陽性を示した。山口市周辺の飼育大のE,canis抗体保有状況は、448頭中22頭(4.9%)が陽性で、そのうち屋外飼育大303頭中19頭(6.2%)が陽性を示したが、室内飼育大82頭では全頭が陰性であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Inokuna, H.: "Survey of Tich-Borne diseases in dogs infested with Rhipicephalus sanguineus at a kennel in Okayama prefecture, Japan" J.Vet.Med.Sci.60・6. 761-763 (1998)
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[Publications] 猪熊 壽: "沖縄島におけるイヌのマダニ寄生およびマダニ媒介性疾患の感染状況" 日本獣医師会雑誌. 51・7. 361-364 (1998)