1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10871004
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
安藤 充 愛知学院大学, 文学部, 助教授 (90183152)
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Keywords | クターラ・マーナワ / スワラ・ジャンプ / マヌ法典 / 古ジャワ語 |
Research Abstract |
ヒンドゥー法典類のジャワ・バリにおける受容の様相を文献学的に検証する3年計画の第2年度にあたり、先年度から継続して、『クターラ・マーナワ』(古ジャワ版マヌ法典とされるテキスト)の写本の解読、コンピュータへのローマ字転写入力をおこなった。またインド・サンスクリット語のマヌ法典原典との比較対照を進めた。あわせて、関連の研究書、研究論文資料の収集・整理をし、従来の研究の問題点を明らかにした。 写本と刊本との対照により、『クターラ・マーナワ』の先行研究がテキスト校訂・翻訳および解釈に大きな問題をはらんでおり、緻密な再校訂・翻訳が求められることが確認された。また、現存する『クターラ・マーナワ』写本が後代のものとしても,この名を冠するヒンドゥー法典が準拠法として碑文や史書にも言及されていること,マヌ法典のサンスクリット引用を含むテキスト伝承がジャワ・バリに残っていることから、サンスット・マヌ法典が古ジャワ世界の法則に影響を与えたのは明らかである、と指摘された。 本年度の一連の研究で、『スワラ・ジャンブ』というテキストが『クターラ・マーナワ』よりもマヌ法典と密接な関わりを持つと思われることがわかった。このテキストも未校訂であるので、写本複写を取り寄せて、内容の全貌をつかみ、さらに、マヌ法典との関係、他の古ジャワ文献との影響関係などを解明することにより当該分野の文献研究の基盤をある程度固めることができるのではないかと考える。
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Research Products
(1 results)