1998 Fiscal Year Annual Research Report
非接触型視線モニタ装置による因果知覚時の自閉症児眼球運動特性の研究
Project/Area Number |
10871018
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
久保田 新 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 助教授 (00278277)
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Keywords | 自閉症 / 因果知覚 / 眼球運動 / 凝視点 / 動体追尾 / 非接触型眼球運動モニタ装置 / サッカディック / 部分と全体 |
Research Abstract |
心理学的な各種刺激提示時の眼球運動特性から自閉症児の基礎的な知覚のあり方を探る第一歩として、初年度は、非接触型眼球運動モニター装置の性能を検討し、同装置と別のコンピュータによる刺激提示との連携を図るための技術開発を中心とした。 LCTechnologies社のEyegaze Development Systemはデモ機能として眼球運動追尾のための簡単な刺激提示ができるが知覚的実験には使えないため、別のコンピュータ上で汎用のプレゼンテーション用ソフトウェア(Macromedia Director6J)によって刺激(較正刺激を含む)を提示し、これに同期させてモニター装置側からデータを受け取ることができるようインターフェイスを作成した。また、健常成人と児童において各種の刺激を提示するとともに眼球運動モニターを試みた。 1)モニター装置は十分な精度と追随速度で凝視点を測定でき、瞳孔径の変化も同時に測定できる。2)凝視点の位置および瞳孔径データをリアルタイムに刺激の提示内容にフィードバックすることができるようにした(凝視点や軌跡の表示、凝視点での刺激変化)。3)凝視によって作動するソフトウェア・ひらがなキーボードなどを作成し、凝視によって提示刺激を変えることができることを確認した。4)成人、児童とも較正のための時間を1,2分に短縮でき、較正用の刺激を児童の関心を引くような動画にすることもできるようにした。5)頭部の自由な動きはある程度可能であるが、長時間に及ぶ測定の場合には背もたれやピローのある椅子に座るほうが安定した測定結果が得られることがわかった。6)予備的な段階であるが、健常成人と児童において、因果知覚事態での凝視点移動の特性を検討し、動体Aを最初は追っているが、AがBに衝突する際に追尾に独特の揺れが見られ、次いでBの追尾に移ることが分かり、準備段階をほぼ完了したと考える。
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