1998 Fiscal Year Annual Research Report
学習環境と個人特性の相互作用モデルに基づく脱モティベーションと対処行動の研究
Project/Area Number |
10871027
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
杉山 憲司 東洋大学, 文学部, 教授 (00082636)
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Keywords | 学習生無力感 / 脱モティベーション / 自尊感情 / Revised NEO-Personality Inventory / Temperament and Character Inventory / 人と状況論 / 相互作用説 |
Research Abstract |
目的:本研究は学習動機と関連する、無関心、指示待ち人間と言われる現代青少年の脱モティベーションの質(種類)の分析が目的である。初年度に当たる平成10年は、(1)脱モディベーションの構造を明らかにする。(2)脱モティベーションと関係する、個人特性と状況要因との関係を試みに分析した。 方法:1.脱モティベーション調査票枠組み;1)目標欠如、2)回避・逃避、3)障害の存在、4)効力感欠如、5)否定的感情の合計50問。2.関連要因;個人特性はローゼンバーグ自尊感情10問、CloningerのTCI短縮版125項目(或いは、Costa & McCraeのNEO-PI-R短縮版60項目)、状況要因はHettema & Kenrick,1992を基に杉山が作成した7項目。3.調査対象;高校生237人、大学生272人の合計509人。 結果の概要:脱モティベーションの構造は、調査票枠組み(仮説)に対して、因子分析の結果、1)効力感欠如と否定的感情が結びついて1因子を構成した。2)回避・逃避と動機欠如の逆転項目が結びついて責任感と快感情とも云うべき1因子を構成した。3)目標欠如(動機欠如)、障害の存在、自己信頼(効力感欠如と否定的感情の逆転項目よりなる)の各因子が認められた。従って、3)脱モティベーションは、従来云われてきたような学習性無力感モデルと異なる、否定的動機状態が存在する。4)個人欲求と社会的評価が結びついていることが明らかになった。5)脱モティベーションは因子間に相関がある。6)脱モティベーションの各因子と関連要因との関係については引き続き分析中である。
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