中国における高齢者ケアシステムの構築に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10871035
• Research Institution: Hokusei Gakuen University
• Principal Investigator: 横山 穰 北星学園大学, 社会福祉学部, 助教授 (20244676)
• Keywords: 高齢者ケアシステム / 高齢化 / 私的扶養 / 生涯教育 / 介護問題 / 年金制度 / 健康保険制度 / 一人っ子政策

Research Abstract

本研究は、中国社会における高齢者ケアシステムの構築にあたって、高齢者に対する福祉施策ならびに福祉サービスの実態についての文献研究を行った。中国においては、一人っ子政策により、21世紀においては社会の高齢化が急速に進行することが予測されている。また、大都市部を中心にして、高齢者の私的扶養が徐々に困難を極め、社会的ケアを推進せざるをえない危機に直面することになると推測されている。現在、北京市をはじめ上海市、南京市等の大都市部においては、高齢者の養護老人ホームや特別養護老人ホームが設立され、徐々にではあるが高齢者の社会的ケアが展開され始めている現状にある。また、高齢者の生涯教育を展開し、高齢者が在宅で可能な限り生活が可能な様に、保健面での施策とサービスの充実が図られるようになってきた。高齢者の社会福祉政策作りは、中国においては近年重要な政策課題の一つとなってきている。在宅ケアを充実させるなかで施設ケアの充実も同時に図るという平行した施策作りが展開されている。特に中国では、高齢者の介護問題を考える時に、考慮されねばならない点として、年金制度と健康保険制度の拡充に関する必要性である。まだ、両制度ともこれから内容の充実を図らねばならない段階にある。特に、年金制度に関しては、日本のように国民皆年金制度をしき、また健康保険制度に関しても同様に国民皆保険制度をしくことが重要な政策目標となりつつあるといってもよい。