2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10871058
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
相田 満 国文学研究資料館, 研究情報部, 助手 (00249921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直子 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 助手 (20151011)
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Keywords | データベース / 共有化 / シソーラス / 分類 / 類聚編纂物 / 分類概念 |
Research Abstract |
1.分類概念についての考察 前年度同様、研究協力者に入口敦志を加え、分類概念についての討議を10数次にわたり重ねるとともに、分類概念語彙のデータ蒐集を進めた。 入口は『節用集』類を着目し、近世期学問大衆化時代の辞書と、当時の知識体系について考察した。山田は学問と書目分類との関係に着目、近代黎明期の西洋文明と古典的和漢学との相克が、当時の学問分類体系にどのように反映しているかについて分析した。また、相田は、和漢双方の類書を中心にデータ蒐集を行ない、その編纂理念について分析した。なお、考察の過程で、古典的類聚編纂物の編纂手法を分析するに際し、『古事類苑』の編纂手法を参照して整理することが、相当に有効であることが分かり、それを下敷きに分類チェック表を作成した。 討議の過程で、本研究テーマで対象となるものを、「知識型類聚編纂物」という新たな理念で捉え、その観点から改めて形態・編纂趣旨・利用の各方面から問い直しがされるべきとの結論を得た。これは、従来概念の類書・辞書・叢書・注釈などの形態上の区分を、分類概念の実態から組み直すものである。そのことについては、相田が日本認知学会例会(2000.9)・和漢比較文学会例会(2000.11)にて報告を行った。 研究の開始当初は、語彙の追求に重点が置かれていたが、研究の進展につれて、学問の枠組みをどう捉えるかという問題に関心が移っていったのは、日本における古典的学問の実態・理念・意義について総合的に考察した先行研究が皆無に近かったことにもよる。しかし、本研究で着目したような、分類概念の再検討を進めることは、こうした古典から現代へと継続する学問の総体を把握するための、きわめて重要な基礎作業ではあった。 2.システムへの応用 先年度に引き続き、類聚編纂物のデータを協同で入力した。また、そのデータ運用の可能性について考察を行い、本研究の理念に則った資料目録検索システムの仕様を策定した。
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Research Products
(1 results)