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1998 Fiscal Year Annual Research Report

文学作品解析の計算科学的方法論に関する研究

Research Project

Project/Area Number 10871073
Research InstitutionShirayuri College

Principal Investigator

堀井 清之  白百合女子大学, 文学部, 教授 (40129896)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 斎藤 兆古  法政大学, 工学部, 教授 (80097146)
宮沢 賢治  白百合女子大学, 文学部, 教授 (70182011)
Keywords文体構造解析 / 可視化 / コンピュータ / 線形空間論 / ウェーブレット変換
Research Abstract

本年度の研究実績としては、コンピュータの使用を前提とし数学的手法である線形空間論を用いて、文学作品の客観的構造解析の可能性が大変高まったことにある。具体的には以下にその詳細を述べる。
■2、3の作品を対象にした計算科学的方法論による文体構造の究明
コンピュータを用いて、数学的手法である線形空間論を夏目漱石の「虞美人草」に登場する人物タイプ、ならびに「草枕」における話法の種類に適用した。その結果、「虞美人草」は現代型人物と古典型人物が交互に登場し、その頻出度合いは中間の章に向かって螺旋構造を描きながら振動的に増加し、その後平均的頻出度となること、また、「草枕」の話法の頻出度を解析した結果、中間型話法と会話法で始まっているが、全体的には」客観話法が支配的で長いピッチの螺旋構造を示すことが判明した。
■特定の文学作品を対象に基礎データを抽出し、線形空間論的分類手法の確立
文学作品の構造解析が可能なように、基礎データの抽出を行うため、その抽出データの分類方法を検討した。その方法は以下のプロセスを踏むことで可能であることが分かった。(1)作家の心象または心の揺れは、アンビヴァレント性を持つキーワードとして表層化するので、作品中に現れるキーワード(3種)の出現頻度を時系列に整理する。(2)この基礎データを、三次元空間座標への変換手法であるグラムシュミットの方法で空間化し、抽出の偏りを正規化で取り除き、ばらつきをウェーブレッド変換の多重解像度解析を用いて低減化する。
■本年度は特定の作品を対象に計算科学的手法の文体構造への応用の妥当性
数学的手法を用いることにより文学作品の構造解析が客観的に可能になることが予見できた。これは、従来、文学作品の構造解析・評価等が読者の主観や経験に基づいてなされていたのに対し、全く新しい文学作品解析の手法が提案できる可能性が高まった。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 堀井清之 他: "文学作品の線形空間論による解析" 法政大学計算科学研究センター研究報告. 11. 83-89 (1998)

  • [Publications] 堀井清之 他: "文学作品における文体構造の可視化" 第27回可視化情報シンポジウム. (1999)

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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