1999 Fiscal Year Annual Research Report
在庫投資に関する生産平準化機能の条件付き分散モデルによる検出
Project/Area Number |
10873004
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宜名真 勇 広島大学, 経済学部, 教授 (30127758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 善久 創価大学, 経済学部, 教授 (00181040)
福地 純一郎 広島大学, 経済学部, 助教授 (00274043)
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Keywords | 在庫投資 / 生産平準化 / Great Ratios / 単位根 / 条件付分散 / ARCH / 均衡成長経路 |
Research Abstract |
経済成長モデルの枠組みの中で在庫投資の生産平準化仮説を検証するためにKlein=Kosobud(1961)のGreat Ratio Modelを基礎に、彼らのGreat Ratios(消費性向・資本係数・労働分配率・マーシャルのk・資本労働比率)の定常性に関する検証を行い、定常な変数の条件付き分散の変化がマクロ変数の均衡成長経路に及ぼす影響を実証的に分析した。そのために成長経路の2次の近似式の期待値を求め、それが上記の定常な変数の条件付き分散に依存することを導いた。彼らが用いたアメリカの長期データに関しては、外生的構造変化を考慮した単位根検定によって消費性向、資本係数、及びマーシャルのkが定常時系列であるという結果が得られ、これらの変数の自己回帰モデルをEGARCHの手法によって推定して条件付き分散を計測するとともに、景気変動と条件付き分散との関連を検討した。同様の観点に立って、資本ストックの概念から在庫ストックを取り出し、GDPに対する比率とその条件付き分散の景気局面との関連を分析することによって動学的モデルの枠組みの中で在庫投資の生産平準化仮説を検証することができると考えられる。即ち、好況期に在庫ストック-GDP比率が低下し、不況期に上昇することに合わせてこの比率の条件付き分散が減少するならばこのような傾向についての一種の信頼性評価という解釈か導かれる。また、統計的推定方法としてのARCHモデルに関して、行列指数関数を分散方程式に応用したARCHモデルの開発を試みた。
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